猫の膀胱炎対策におすすめウェットフード5選!原因と対策とは?
猫を飼ったことがある人なら「膀胱炎を防ぐフードは?」と考えたことがあるはず。
よくいわれるのは、水分が多いウェットフードを対策に使う方法ですよね。
水分が少ないカリカリから、水分が多いウェットに変えるのは正解。
でも、どうせウェットを食べさせるなら、効果の高いフードを選びたいですよね。
そんな人向けに、膀胱炎の原因と解消法から、おすすめフードをまとめました。
「ウェットフードで膀胱炎対策がしたい!」そんなときに参考にしてくださいね。
そもそも猫が膀胱炎になる原因とは?
まずは、猫が膀胱炎になる原因から、さらっと解説していきますね。
膀胱炎の原因はおもに3種類あります。
- 細菌による問題
- 結石や結晶ができた
- 原因がわからない突発性
簡単に説明すると「免疫力がおちて感染症になった」「ご飯の水分量が少なくて結石や結晶ができた」「ストレスなど原因がわからない」ものです。
ミネラルバランス悪いフードを食べている?
猫が膀胱炎になる原因は、「ミネラルバランスの悪いフードを食べている」が定説でした。
- マグネシウムが多い
- リンの割合が高い
また、カルシウムやマグネシウムが多い、煮干しやじゃこを猫に与えるのも、よくないとされています。
ミネラルバランスが悪い→だから低マグネシウム・低リンの食事が必要。
この考え方が定説としてあるので、療養食や尿路の健康サポートフードは、ミネラルの量を減らしたものが多く売られています。
ただし、最近では「ミネラルが原因ではない」という論文もあります。
対策の部分で詳しく紹介するので、合わせて参考にしてくださいね。
尿のpHがアルカリに傾きストルバイトができている
猫が膀胱炎になる原因で、重要となるのが尿のpH値です。
尿がアルカリ性に傾くと膀胱炎になりやすいため、酸性に傾ける必要があります。
ドライフードで水分が足りていない
続いて、猫が膀胱炎になる原因のひとつが、水分不足ですね。
猫の先祖は乾燥した地域に住んでいて、家猫も水分を多く摂取するのが得意ではありません。
- 喉が渇いたと感じにくい
- 尿を凝縮して排出する
このように限られた水分でも生きていける体となっています。
だから、飼い主さんが積極的に水分を多くとらせる工夫をしないと、猫は水分不足になり、尿の量が減って膀胱炎になりやすいわけです。
猫のご飯に、たとえミネラル分が多くても、水分摂取量が多ければ尿が増えて薄まり、結晶ができにくくなる仕組みです。
猫のストレスがたまっている
猫の膀胱炎には、原因が特定できない「突発性膀胱炎」があります。
尿検査をしても、最近や結晶が見られず原因がわかりません。
猫のストレスが疑われていますが、今のところ原因ははっきりしていないようです。
比較的若い猫に見られるようで、ストレス耐性が低いのかもしれませんね。
猫が肥満になっている
肥満も膀胱炎の原因のひとつなので、猫を太らせないようにしましょう。
カリカリは糖質が多くたんぱく質が少ないものが多いので、余った糖質が体脂肪として蓄積しやすいため、ウェットがおすすめ。
「カリカリでも、グレインフリーだから大丈夫」でもないのです。
グレインフリーの記事でも紹介しましたが、ピュリナワンを比較した同じ表を掲載しますね。
ピュリナワンドライフード【グレインフリー】 | ピュリナワンウェットフード【穀物入り】 | |
---|---|---|
たんぱく質 | 35%以上 | 10.8%以上 |
脂質 | 14%以上 | 2.7%以上 |
粗繊維 | 2%以下 | 1.5%以下 |
灰分 | 9%以下 | 2.5%以下 |
水分 | 12%以下 | 80%以下 |
糖質 | 28% | 2.5% |
グレインフリーのカリカリより、穀物配合のウェットのほうが糖質が少なくなります。
表示される成分表ではウェットのたんぱく質量は少なく感じますが、ウェットは水分がほとんどなので糖質は結果的に少なくなるので肥満対策におすすめです。
猫の膀胱炎にウェットフードがおすすめの理由
ここから、猫の膀胱炎対策にはウェットがいい理由を紹介しますね。
獣医さんのなかにも、「カリカリはNG、ウェットはOK」という人も多いくらい、猫にとってウェットフードはいいものなのです。
療養食は膀胱炎になったときだけ使うもので長期与えるのはリスクがある
もしかしたら、「膀胱炎対策なら療養食がいいのでは?」と思うかもしれません。
療養食は膀胱炎になったときの専用フードで、治ってから長期的に与えるとリスクがあるものなので注意したいですね。
膀胱炎になってしまったら、治療が必要なので獣医さんの指示に従ってください。
でも、治ってしまえば何を食べてもOKです。
しいていうなら、尿のpHを調整できて、水分が多いフードを選ぶくらいですね。
また、療養食はかえって尿のpHのバランスが悪くなるデメリットもあります。
それは、療養食によってpHを調節する内容が違うからですね。
尿のpHが7以上だとアルカリ性になり「ストルバイト」ができて、pHが6以下で酸性に近づくと「シュウ酸カルシウム結石」ができやすくなります。
つまり、バランスが重要なので、療養食の長期使用はおすすめできません。
ウェットは動物性たんぱく質が多く含まれている
膀胱炎の原因のひとつが、尿がアルカリ性になることは既におわかりだと思います。
では、どうやって猫の尿を酸性に傾けるのか?
それは、「たんぱく質が多く、アミノ酸スコアの高いフード」を与えること。
カリカリはたんぱく質の割合が少なく糖質の割合が多いと説明しましたよね。
たんぱく質が多くアミノ酸スコアの高いフードを選ぶなら、断然ウェットフードです。
では、なぜたんぱく質の量が重要なのでしょうか?
それは、尿を酸性にしてくれるアミノ酸(含硫アミノ酸)が関係しています。
たんぱく質の過剰摂取でも、尿がアルカリ性に傾いてストラバイトの原因になりますが、重要なのは含硫アミノ酸が少ないたんぱく質の過剰摂取です。
含硫アミノ酸の配合量は次のとおりです。
- グルテンミール:3%
- トウモロコシ:0.36%
- 魚粉:2.56%
- チキンミール:1.67%
- 大豆ミール:1.22%
- 肉粉:1.63%
原料が肉や魚であれば、含硫アミノ酸が多くなるわけですね。
一方で、「〇〇ミール」が多いキャットフードは、尿がアルカリ性に傾きやすいので、膀胱炎になりやすいといえます。
また、ここで確認しておきたいのが、療養食にコーングルテンミールが多いこと。
たとえば、ヒルズの膀胱炎療養食の原材料は、米・鶏肉・小麦・コーングルテンが主成分。
コーングルテンは含硫アミノ酸が多いので、療養食に使うわけですね。
こちらの論文にも書かれていますが、「マグネシウムの量が原因ではなく、含硫アミノ酸不足が原因」とあります。
含硫アミノ酸が多いフードを選ぶなら、断然たんぱく質が多いウェットフードですね!
さらに、ウェットでも魚や肉が主原料のものを選ぶようにしましょう。
ウェットフードは水分が多い
飼い主さんが猫の膀胱炎対策としてできるのは、水分量を多くする方法があります。
- 水の置き場を増やす
- 新鮮な水を用意する
- 水分が多いウェットフードに変える
水をあまり飲まない猫ちゃんには、鶏のゆで汁を与える方法もおすすめ。
レンジでチンすると鶏肉が硬くなって美味しくないので、お湯を沸かして火を止め鶏肉を入れて蓋をして、じっくりと調理しましょう。
鶏むね肉を割いたものと茹で汁をトッピングしても、美味しく食べられます。
総合栄養食のウェットにするなら定期的な尿検査がおすすめ
一度膀胱炎になった猫でも、総合栄養食のウェットフードに戻すことはできます。
でも、再発が心配なので、定期的に尿検査は受けましょうね。
私の家で飼っていた猫も、何度も膀胱炎を繰り返しました。
検査ではオシッコを取らないとならないので、苦労する人も多いですよね。
うちでは、ニャンとも清潔トイレのような床がメッシュ状のトイレを使いました。
トイレチップ・メッシュ下に何も入れないで猫にトイレをさせると、下に尿がたまるので簡単に尿がとれましたよ!
獣医さんにも「よく尿がとれますね」と驚かれていました。
砂がなくてもオシッコをしてくれる猫だったら、この方法が使えるので試してみてください。
猫が膀胱炎にならない対策としておすすめのウェットフード5選
基礎知識がついたところで、それでは本題のウェットフードを紹介しますね。
膀胱炎対策には、次の特徴のフードがおすすめです。
- ウェットフードであること
- 水分が多いこと
- たんぱく質が多いこと
ほとんどのウェットフードは、水分が80%以上で合格です。
それなら、たんぱく質の割合の高さで選ぶといいですね。
カナガン16.5%
私が試食したウェットフードのなかでも、カナガンはたんぱく質が多くなっています。
試食してみると、「鶏肉を茹でたそのまま」の感じがしたので、鶏肉を自分で茹でるのが面倒なときにいいですね。
ただし、価格は1缶500円とかなり高めです。
1缶を毎回与えると予算が厳しいので、ローリングのひとつや、カリカリのトッピングに使ってみるとよさそうですね。
十分なたんぱく質が摂取できれば、尿を酸性に傾けるアミノ酸も摂取しやすいでしょう。
たんぱく質の配合量の高さでは、カナガンがおすすめです。
黒缶13.9%
低価格帯なのにグレインフリーで、さらにたんぱく質も高めのフードです。
単価は1袋55円という安さ。
黒缶は、日本のキャットフードでもロングセラー商品です。
長く愛されてきた理由は、シンプルな素材と添加物の少なさがあるからでしょう。
カナガンは鶏肉系ですが、黒缶は魚系です。
魚が好きな猫ちゃんには、黒缶を選ぶといいですね。
アーテミス12%
アーテミスはプレミアムフードのひとつで、水分量の多さでおすすめです。
1缶320円と金額が高めなので、カナガン同様にローテーションに入れるといいですね。
また、カナガン・黒缶・アーテミスどれも穀物不使用のグレインフリー。
穀物でかさ増ししていないので、たんぱく質が多いのも納得ですね。
アーテミスの水分は、ツナブイヨンです。
猫ちゃんは、水分も美味しく飲めるので、尿量アップにおすすめです。
フィリックス12%
黒缶に次いで安価なフードを選ぶなら、フィリックスもおすすめです。
1袋55円で売られていて、黒缶同様にスーパーやドラッグストアでも扱っています。
黒缶は魚系ですが、フィリックスはお肉系でレバーのような味です。
内臓を好む猫ちゃんだったら、フィリックスを選んであげるといいですね。
ただし、最近は配合量が少なくなり、1袋35キロカロリーになりました。
1袋あたりのカロリーが少ないので、カロリー不足に注意してあげてください。
ピュリナプロライン11.2%
ピュリナワンの上位フードとして売られているのが、ピュリナプロラインです。
プロラインのほうがたんぱく質の量が多いので、アミノ酸摂取にいいですね。
フィリックスもプロラインも穀物配合ですが、それほど気になる量ではないでしょう。
「〇〇ミール」は含まれておらず、チキンが主原料です。
ぶどう糖が入っているのはやや気になりますが、毎日食べさせるわけじゃないなら大きな問題ではないかもしれませんね。
猫の膀胱炎対策としてたんぱく質と水分が多いウェットフードを与えよう
今回は、猫の膀胱炎対策として、たんぱく質が多いウェットフードを紹介しました。
低価格なら黒缶やフィリックス、多少金額が高くてもいいならカナガン・アーテミス・ピュリナプロラインを選ぶといいですね。
そういえば、実家で飼っていた猫は、黒缶好きでした。
一度も膀胱炎になったことがなかったので、たんぱく質が多いおかげかもしれません。
一方で、私が買っていた猫は何度も膀胱炎にかかりました。
カリカリを与えていたので、たんぱく質や水分不足が原因だったのかもしれませんね。
膀胱炎対策をしたいときは、ウェットフードを選んでみてください。