猫がご飯を足りないと鳴く?欲求がなくなり飼い主のストレスが減る対策
「猫が毎日、ご飯が足りないと欲求してくる」
あなたは、こんな悩みを抱えていませんか?
猫がいつも「ご飯が欲しい」と鳴いていると、飼い主としてもストレスですよね。
「肥満を防いで健康対策するべき」「我慢させればいい」「毅然とした態度が必要」という意見もありますが、いつも飢えて鳴いている猫を見ると、可哀そうになってしまうのではないでしょうか。
この場合の対策は、「ウェットフードに変える」です。
今までドライフードを猫に与えているなら、ウェットフードに変えれば可哀そうな猫を見ることもなくなるので、飼い主さんのストレスを解消してみてくださいね。
なぜご飯が足りない猫にはウェットフードがいいのか?
ウェットフードに変えるといい理由は、以下の理由からです。
- 血糖値が急激に上がらなくなる
- 豊富なタンパク質で栄養不足がなくなる
ドライフードは成型するために炭水化物(トウモロコシなどの穀物)が主成分となるため、糖質の量が多くなっています。
糖質が多いご飯を食べると、猫の血糖値が急激に上がるので、血糖値を下げようと大量のインスリンが出て血糖値がさらに急激に下がり、そのときに強い空腹感を感じてしまうのです。
ちょっとわかりにくので、私たちの食べ物で説明しますね。
たとえば、ラーメンを食べた直後はお腹がいっぱいなのに、「なんか物足りない」と感じて、ついつい間食してしまった経験はありませんか?
私もよく感じていて、ラーメンを食べた直後は「もう、お腹がいっぱい、何も食べられない」と感じるのに、数分くらいして「あれ?まだ何か食べたいな?」と感じることがあります。
ラーメンは汁物でお腹にたまりやすく、お腹いっぱいになるくらい食べたはずなのに、物足りないって不思議ですよね。
実は、ドライフードと同じ原理で、血糖値の上昇と下降が激しく、低血糖になって空腹感を感じているのです。
だから、猫がご飯を足りないといつも欲求してくるなら、タンパク質がメインとなるウェットフードに変えてあげましょう。
タンパク質は血糖値を急激に上げないので、猫の空腹感は和らぐはず。
そして、ウェットフードにすればタンパク質が豊富に含まれているので、タンパク質不足による「食べたい」という欲求もなくなります。
猫は本能で生きていて、「何か栄養が足りないニャー」と思っているわけではなく、空腹感や物足りなさとして栄養不足を感じているんですね。
- ドライフード:第一栄養が炭水化物
- ウェットフード:第一栄養がタンパク質
キャットフードのパッケージを見て、原材料名に書かれている最初にあるものが、一番多く含まれている材料です。
もともと猫は、炭水化物を多く必要としておらず、タンパク質の糖新生により糖質を得ることができるので、インスリンを多く分泌することはできません。
それなのに猫に炭水化物の多いドライフードを与えれば、余った糖質が脂肪として蓄えられるので注意してくださいね。
何も考えずドライフード推奨している専門家も多いのですが、猫の糖尿病・肥満の問題となりやすいので、猫本来のご飯に近いウェットフードを与えるべきなのです。
日本人も、もともとインスリンの分泌が多くならないので、欧米人のような100キログラム越えの肥満になることは少なくなっています。
なぜかというと、血糖値を下げるインスリンの量が少ない、利きが悪いので、血糖値が上がりすぎると膵臓に負担がかかって、肥満になるまえに糖尿病になるから。
猫も、日本人の体質に近いのかもしれません。
炭水化物がメインのドライフードは猫にとって不自然なご飯で、タンパク質がメインのウェットフードなら猫の空腹感は驚くほど少なくなるので、ぜひ試してみてくださいね。
また、ウェットフードは水分も多いので、水分でお腹がいっぱいになりやすい理由も。
猫はもともとご飯から水分をとっていて、ウェットフードは猫のご飯として理にかなっているといえるのです。
なぜ猫はご飯を足りないと鳴くのか?原因別対策方法
「うちの猫には、ウェットフードを与えているんですけど?」
このような場合では、別の原因が隠れている可能性があるので、それぞれの対策方法を紹介しますね。
体重に対する適量を与えていない
猫のご飯は、体重に対する適正量を与えていますか?
目分量で与えているなら、量が足りておらず、猫はいつも空腹感を感じているのかもしれません。
猫の体重ごとの適正量は、以下の記事で詳しく紹介しました。
ウェットフードのおよその目安を紹介していますので、参考にしてみてください。
回数が少なくご飯の時間が空いてしまっている
猫に与えるご飯の回数が2回のときは、猫は空腹感でご飯を欲しがるようになります。
「でも、成猫には1日2回でいいと聞きました」
そうですね、私も成猫には1日2回でいいと思って、実際にうちで飼っていた猫も1日2回しかご飯をあげませんでした。
でも、朝と夜のご飯の欲求はすごかったです。
「我慢させれば諦めるだろう」と思って1日2回にしていたので、うちの猫は昼間ひたすら寝ていて、体力を温存して空腹を紛らわせている感じがありました。
「昼間は欲求してこないからいいだろう」
「猫の健康のため、我慢させるのが当然」
それって、本当にいいことなのでしょうか。
私個人は、猫のご飯をいろいろと調べるうちに、「猫のご飯は1日2回じゃなくてもいい」事実を知りました。
1日の適正量を守っていれば、その量を1日3回~4回に分けてもいいと知って、目からうろこが落ちるような感覚がありましたね。
人によっても、1日2食でいい人もいれば、5回に小分けしないとダメな人もいます。
猫も個体による食べ方の違いがあるのは当然のことなので、1日2回にこだわる必要はないはずです。
また、1日のご飯の回数を増やすと、以下のようなメリットもあります。
- すぐにご飯がもらえる安心感がある
- お腹が空きすぎない
猫の胃はあまり大きくないようで、一度に大量に食べると吐き戻しをすることがありますよね。
お腹が空きすぎてがっついて食べると、未消化のフードを吐くことがあります。
野生の猫なら「別の生き物にとられないようにしよう」と早食いするのは仕方がないかもしれませんが、飼い猫ならその心配はありません。
だったら、猫のペースにあわせてご飯の回数を増やして、「すぐにご飯がもらえる安心感」を与えてみてはどうでしょうか。
1回のご飯で猫は「ちょっと物足りないな」と感じていても、少しすればまたご飯をもらえることがわかっていると、不安が減り異常にご飯を欲求することは少なくなります。
子猫で成長期なのでご飯が足りていない
体を急激に成長させる必要がある子猫の場合は、欲しがるだけ与えてOKです。
「ちょっと異常じゃないの?」と思うほどご飯を欲しがる子猫は少なくないのですが、成長期の猫はこれが普通なので安心してくださいね。
猫がご飯を足りないと鳴くときの注意点
猫がご飯を足りないと欲求するなら、ウェットフードに変えるといいと説明しました。
でも、ウェットフードなら何でもいいわけじゃないので、注意してください。
- 一般食のウェットフード:栄養が足りていない
- 総合栄養食:1日に必要な栄養がすべて含まれている
何らかの栄養が不足している状態では、猫が空腹感を感じるのは当然のこと。
ウェットフードのパッケージを見て「一般食」となっているなら、すぐに総合栄養食に見直してみてください。
猫がご飯を足りないと鳴くならウェットフードに変えよう
ウェットフードのご飯に変えれば、次のようないいことがあります。
- 猫の満足感が高く鳴かなくなる
- タンパク質がしっかりとれる
- 猫が苦手とする水分補給にいい
何よりも、ドライフードのように炭水化物が多すぎる心配がありませんよ。
猫のご飯で炭水化物をゼロにする必要はありませんが、メインとなると猫の血糖値が上がりやすくなり、血糖値が下がったときに空腹感が出やすいので注意してあげてくださいね。
また、炭水化物と比べてタンパク質は、お腹が空きにくいメリットも。
試しに、飼い主さんもラーメンだけの日と、タンパク質がしっかりとれている日で、お腹の空き具合を試してみてくださいね。