猫がなつかないむかつく、捨てたいとき
猫がなつかない原因と対処方法を紹介します。
威嚇されて可愛くない猫でも、捨てたいという行動に出るのは待ってください。
飼い主さんの少しの努力で、猫をなつかせることはできるのです。
猫がなつかない原因
猫がなつかないのは、おもに3つの原因が考えられます。
- 野良猫で警戒心が強いから
- 人間に虐待されたから
- 猫が嫌いなタイプの人だから
飼っている猫が1や2の場合では、なつくのに相当時間がかかる覚悟が必要です。
3番が原因だった場合は、飼い主さんの努力次第で猫はなついてくれます。
野良猫で警戒心が強いため
野良猫を保護した場合は、短期間で猫がなつくわけではありません。
外でなついていたように見えるのは、餌をくれる人だったためです。
猫は自分の利益のためになついているような仕草を取るため、「外ではあんなになついていたのに・・・」と勘違いしてしまうことがあります。
猫は外の世界で、周りの猫と上手く距離を取らなければ生きていくことはできません。
お互いのパーソナルスペースを守りながら、自分の縄張り内で過ごすのです。
そのため、野良猫は周りの人や猫と一定の距離を取ることが当たり前となっています。
お互いに近づき過ぎないのが、猫たちがうまくやっていける手段なのです。
猫にとっては飼い主さんと適度な距離を保って上手くやり過ごしているつもりなのでしょう。
元野良猫の性質を短期間で変えるのは難しく、最低でも半年、長ければ数年くらいなつくのに時間がかかることもあります。
過去に人間に虐待された経験を持つ
シェルターで保護されている猫たちの中には、過去に人間に虐待された猫もいます。
一度人間を「怖い存在」としてしまうと、なかなか心の壁を取り除くことはできません。
虐待された猫は心に問題を抱えていることも少なくないのです。
人間に対して不信感を持っている猫でも、根気よく接していくことでなつくことは可能です。
なつくのに時間はかかるため、飼い主さんは根気が必要でしょう。
猫が苦手な人のタイプだから
猫が苦手なタイプの人だと、人なれしている猫もなつきません。
家庭内で「お父さんだけなつく」「お母さんだけ猫に好かれる」といった違いが出てくるのは、猫に好かれる人と嫌われる人だからです。
猫がなつかない嫌われる人のタイプ
猫がなつかない原因が自分にあると感じたら、猫に嫌われるタイプではないかチェックしてみましょう。
- 声が大きい
- よく動く
- 目を見る
- ニオウ
これらの原因がないか確認してみてください。
声が低くて大きい
猫は警戒心が強い生き物で、「大きな音」が嫌いです。
犬と比べて猫は聴力に優れているため、大きな音でびっくりしてしまいます。
声が低くて声が大きいタイプの人は、猫に嫌われる可能性が高いです。
なつく以前の話で、その人のことを怖がっている可能性があります。
高い声でおだやかに話をする人は猫に好かれます。
猫に話しかけるときは、声のトーンに注意しましょう。
猫は大きな音が苦手なため、掃除機のような音でも逃げてしまいます。
仲良くなりたいと思うなら、掃除機で猫を追いかける行動は避けてください。
よく動く子どもは嫌い
猫は子どもが嫌いな傾向があります。
大きな声を出して泣いたり、音を出して動いたりするためです。
たまに猫と赤ちゃんが触れ合っている姿を見ることがありますが、珍しいケースです。
多くの場合は、赤ちゃんと子どもと猫は仲よくすることができません。
目を見つめてくる人
猫は目を見られるのがとても嫌いです。
人は一点に視点が集中できるのに対し、猫の視野は広く周りを見渡せます。
猫が狩りをするときに昆虫やネズミを見つけやすくするためです。
視界も遠くより近くにピントが合いやすい性質があります。
猫が何かを見つめるときは、獲物を狩るときだけです。
人が猫の目を見つめてそらすのは、相手を獲物だと認識していないためです。
猫同士もお互いの目を見つめたときは喧嘩がはじまってしまうため、微妙に目をそらしていることがわかります。
猫は無駄な争いを避けようとする生き物のため、目を見つめられる人は苦手なのです。
嫌な臭いがある人
猫は嗅覚も優れているため、嫌な臭いをする人には近づきません。
香水、柔軟剤の香りが苦手で、猫が近づいてくれない可能性があります。
柑橘系やハーブの香りを苦手としているため、人工的な香りや天然の香りに関わらず注意してみましょう。
猫に好かれる人になるには、無臭になるのが一番です。
「猫がなつかない、むかつく!」場合の対処方法
猫がまったくなつかないのは、飼い主さんを怖がっているためです。
警戒心を取るための行動を心がけましょう。
とくに猫の安全確保を重視することが、猫と早く仲良くなるためのコツです。
猫の警戒心が取れるまで無視すること
野良猫や保護猫がなつかないのは、飼い主さんに対し警戒心を持っているためです。
猫は安全性を確保できなければ、気を許すことはありません。
仲良くなりたいなら、飼い主さんのほうから猫に接触しないでください。
何日も餌をあげ続けて、「この人は危害を加えない」「ご飯をくれるよい人」と思わせることが大切です。
猫の警戒心が取れるのは時間がかかるため、その間はとことん無視しましょう。
目を合わせたり、触ろうとしたりしてもいけません。
猫が安心できる高い場所を確保してあげる
猫の警戒心がなかなか取れないのは、猫自身の安全確保ができていないためです。
威嚇してくるような猫でも、自分の安全を確保できるようになると、少しずつ警戒心が取れていきます。
猫が威嚇するのは怖がっているためなのです。
猫は高い場所から周りを見渡すことができると、安心してくれます。
高い場所にいれば自分が有利になることができて、危険性が迫ってもすぐに逃げることができるからです。
飼い主さんに威嚇する猫がいるなら、キャットタワーを設置してあげてください。
猫が「キャットタワーにいれば安心」とわかると、少しずつ警戒心がなくなっていきます。
キャットタワーの上は猫にとってのパーソナルスペースのため、猫がなつくまでキャットタワーにいる猫に触れないでください。
餌をあげるときだけ触れて慣れさせる
野良猫でも餌をもらうときだけは甘えてくる場合があります。
「甘える=餌が貰える」ことを知っているためです。
別に餌をくれる人に対して甘えているわけではなく、餌をもらうための行動だといえます。
家猫でも餌をあげるときは、触れさせてくれる場合があります。
飼い猫は自分で餌をとることができず、飼い主に頼るしかないためです。
ビクビクしながらも餌をもらうときに触れさせてくれるなら、少しずつ人にならすことができます。
猫が嫌がるような触れ方は避けて、猫の警戒心を解いて、飼い主さんが安全だとわからせるための行動だと思っておきましょう。
遊びを通して少しずつスキンシップを深める
猫によっては「触られるのが嫌い」「抱っこされるのが苦手」という猫もいます。
もともとの性格のため、訓練で変えることは難しいかもしれません。
しかし、猫と遊ぶことでスキンシップを高めることはできます。
遊び相手は猫にとって兄弟のような存在で、親しみを持ってくれるはずです。
なつかない性格の猫もいる
それぞれの猫の性格によってもなつかないことがあります。
思い当たることがないか確かめてみましょう。
猫はもともと単独行動の生き物
メス猫は数匹で暮らすこともありますが、猫はもともと単独行動をとります。
とくに幼少期に兄弟たちと過ごす時間が少ないと、一人を好む性格になりやすいです。
ペットショップで売られている猫は、子猫の頃に一人で過ごす時間が長いため、マイペースの性格になり一人で過ごすことを好む場合もあります。
猫によっても性格が異なり、同じ野良猫でもなつく猫もいれば、警戒心がなかなか取れない猫もいます。
餌を欲求するときだけ都合よく甘える猫も
猫は周りに合わせることはなく、自分の気持ちにストレートに生きています。
たまたま甘えるそぶりを見せて餌が貰えると、ずっと同じ行動をするのが特徴です。
餌をもらい終わったらそっぽを向いてしまい、また飼い主さんとの距離感ができてしまいます。
普段はぜんぜん甘えてこないのに、飼い主さんがパソコンや作業中のときに限って、手元を邪魔するような行動に出る猫もいます。
人が困るような行動に見えますが、猫が甘えたいだけなのです。
猫は「遊んで欲しいから甘える」「寝たいから無視する」のように、気まぐれです。
人が猫のペースに合わせて生きなければならず、猫好きにとってはその気まぐれさも可愛さのひとつだといえます。
オスと比べてメスは愛情表現が下手な子もいる
オス猫は甘え上手な子が多いのに対し、メス猫は明らかにわかるような甘え方はしない傾向があります。
よく遊んでよく甘えてくる猫が欲しいと思っているなら、オス猫がおすすめです。
メス猫は飼い主さんにべったりになることはありませんが、性格が穏やかで猫との距離感を保ちながら生活することができます。
多頭飼いのため甘えることができない
複数の猫を飼っていると、新入りの猫が遠慮して甘えてこないことがあります。
猫同士には上下関係はありませんが、狭い空間で数頭の猫が暮らしていると、お互いを意識しなければなりません。
「よく甘える先住猫が亡くなったら、新しい猫が甘えてくれるようになった」ということはよくある話です。
猫が1匹だと飼い主さんとの距離が近くなり、飼い主さんに甘えなければ生きていけないため、猫も必然的に甘えるようになるのでしょう。
猫が彼氏や夫になつかないのはなぜ?
もともと猫は男性の低い声が苦手なため、なつかないことがあります。
猫に怖いと思われていると、なつくことはないのです。
声が低い男性が怖いと思っているため
彼氏と同棲するときや、結婚することになった場合は、今まで飼っていた猫が男性になつかないことがあります。
男性は声のトーンが低いため、猫は怖いと思っているかもしれません。
新しく暮らす男性を安全だと認めるまで、猫はなついてくれないでしょう。
猫のパーソナルスペースを確保して、男性と一緒にいても猫が安心感を持つように配慮してあげてください。
キャットタワーを設置して猫が安心したら、遊びを通して少しずつコミュニケーションを深めていきましょう。
猫がなつかない、捨てたいと思ったときに考えること
猫がなつかないからといって、捨ててしまうのは避けましょう。
飼い主さんの少しの配慮で、猫は必ずなつきます。
猫に好かれる人になれば必ずなつきます
「猫はクールな生き物だからなつかない」「猫は気まぐれだからなつかない」ともいわれますが、違います。
猫がなつかない最大の理由は、猫の安全確保ができていないことです。
ベッドの下に隠れて出てこない猫は、新しい環境や飼い主さんのことが怖いのです。
猫が安心できる高い場所を作ってあげて、猫の警戒心をときましょう。
飼い主さんが猫に好かれない人である場合も、対応を変える必要があります。
「家族になついても私だけ猫がなついてくれない」と感じるなら、それなりの理由があると思っておいてください。
猫の種類でなつかないことはある?
猫の種類によっても、人になつかないタイプがあります。
甘えてくる猫が欲しいと思うなら、猫の品種にも注意してみましょう。
- シャムネコ
- ノルウェージャンフォレストキャット
などは警戒心が強かったり、気難しい性格だったりするようです。
気難しい猫の種類でも、飼い主さんだけにはなつくことはあります。
猫を飼う前に「どんな性格の猫がいいのか」考えて、衝動買いをするのは避けてください。
まとめ
猫がなつかない原因は、成猫から飼っている場合です。
子猫から飼うと大抵の場合は飼い主さんになつくでしょう。
成猫から飼った猫でも、猫の警戒心を解いて、猫に好かれる飼い主さんになれば、猫をなつかせることはできますよ。