猫にアロマオイルは安全?

猫とアロマ
女性だとリラックスするためにアロマをたくこともありますよね。
しかし、「猫にアロマはダメ」と知って何回かアロマを使った場合、猫が大丈夫か心配なのではないでしょうか。

 

猫とアロマの研究データは少ないのですが、わかっていることも幾つかあります。
「猫がいる部屋でアロマを使ってしまった!」という方は、アロマと猫の関係性をチェックしましょう。

 

 

猫にアロマは大丈夫?

猫とアロマ
猫にアロマを使って有害となるデータを示した研究データは少ないのですが、猫には特定の成分を解毒する機能がないことはわかっています。

 

猫にはグルクロン酸抱合がないためアロマを解毒できない

猫は完全肉食動物のため、肝臓の解毒機構のひとつグルクロン酸抱合がありません。

 

グルクロン酸抱合は人間や犬のように雑食動物に見られる解毒機構です。
猫は肉しか食べない生き物で、グルクロン酸抱合の必要性がなくなり、退化してなくなったと考えられています。

 

そのため、猫は植物の成分を解毒することができないのです。
アロマは植物成分を何倍にも凝縮しているもので、通常の植物以上の影響があります。

 

代謝できず蓄積されたアロマの成分が、猫に悪影響を与えると考えられています。
飼い主さんが知らないでアロマを毎日使っていると、猫に蓄積した成分が許容量をオーバーしたとき、猫の症状が出る可能性があるのです。

 

猫に有害かよくわかっていない成分が多い

猫に対しアロマを使った研究例は少なく、どう影響を与えるかわかっていない成分も多いです。

 

アロマオイルは天然香料、エッセンシャルオイル、化学的に合成された香料をフェノール、アルコールや植物油などで希釈したものを指すことが多いですね。香料の種類は極めて数が多く、そのすべての物質について犬や猫の体内での代謝が分かっているわけではありません。

出典:https://www.jsvetsci.jp/10_Q&A/v20180925.html

 

アロマと猫との関係性は十分なデータがありませんが、それでも猫に有害だろうとされるアロマの成分は幾つかわかっています。

 

猫に使ってはダメなアロマ成分

猫とアロマ
猫に毒性があるとされているハーブは、どれも猫よけハーブとして売られているものばかりです。
本能で猫はそれらの香りに毒性があることを知っていて、避けているのではないでしょうか。

 

モノテルペン炭化水素類

モノテルペン炭化水素類は柑橘系の果物にも含まれる成分で、猫はみかんの皮を嫌うことがよく知られています。

 

モノテルペン炭化水素類は、ミルセン、リモネン、ピネン、などの成分のことです。
とくに猫は柑橘系の香りに弱く、レモンやグレープフルーツなどのアロマに敏感に反応します。

 

ほかにもタンジェリン、マンダリン、ベルガモットなどの香りも猫に使えません。
レモン、ブラックペッパーなどのアロマも使用を中止しましょう。

 

フェノール類

フェノール類も香り成分のことで、オレガノ、グローブ、タイム、バジル、シナモンなどのハーブに含まれています。
これらは食品用のハーブとしてもよく用いられているため、庭やキッチンで家庭菜園している家庭も少なくないでしょう。

 

ほかにもミルラ、パチュリーなども猫に使うことができません。

 

ケトン類

ケトン類は猫よけハーブにもよく使われる、スーッとした香りのハーブに含まれています。
スペアミント、ペパーミント、ティーツリー、シトロネラなどです。

 

ローズマリーもケモタイプの場合は、ケトン類を含んでいます。

 

猫にアロマが危険な理由

猫とアロマ
猫は植物の成分自体を解毒する働きを持っていないのに、さらにアロマは植物の成分を濃縮しているため、猫にとって危険性が高くなります。

 

植物成分を凝縮したものがアロマだから

アロマは植物を凝縮して作られたもので、人の場合も直接肌に付けて使用しません。

 

植物にアロマの成分はたった1~3%程度しか含まれていません。
人が肌に付けるときも植物が持つ本来の濃度になるよう、キャリアオイルで薄めて使います。

 

つまりアロマを人に塗布する場合も、安全性に使えるのは1~3%に薄めたときだけです。

 

自然界でそれだけ濃度のある植物に猫が触れる機会はなく、どのくらいの影響が出るかは予想できるでしょう。
猫がアロマの成分で中毒をおこすと、いろいろな症状が出ます。

 

アロマを使って猫のよだれが増えたときや、神経症状が出た場合は注意が必要です。
皮膚に塗布した場合は、発疹など炎症がおこります。

 

猫とアロマの危険性を示した事例

猫とアロマ
過去に猫とアロマの危険性を示した事例が幾つかあります。
危険性がわかっているのは猫にティーツリーを使った場合です。

 

アメリカの猫に対しティーツリーの有害性を示した例

1990年代にティーツリーが配合されているノミよけシャンプーを使用した例があります。
ティーツリー入りシャンプーを使った猫で具合が悪くなるケースが報告されました。

 

その際には、経皮吸収されたティーツリーの成分が疑われたようです。
その後も動物中毒自己管理センターに同じような報告が寄せられるようになります。

 

この事例から、アメリカではシャンプーに配合するティーツリーの濃度を1%以下にすべきという勧告がされました。

 

猫に対するティーツリーの使用実験

1998年にコーネル大学により、猫を使ってティーツリーの実験がされました。
アンゴラ猫に高濃度のティーツリーが配合されたノミよけ商品を使った実験です。

 

すると5時間もの短時間で猫たちには中毒症状が見られました。
尿中からもティーツリーの成分が検出されたため、実際に猫の体に取り込まれたことがわかっています。

 

実験に使用した猫は治療がされましたが、3匹中1匹は3日後に亡くなってしまいました。

 

猫用アロマなら使ってもいい?

猫とアロマ
ごくまれに猫用アロマ商品が販売されていることがあります。
しかし、猫にハーブを使ってよいのか安全性が証明されていることは少ないため、使用には注意が必要です。

 

現在問題ないアロマでも今後毒性が確認される可能性も

市販の商品で「猫用アロマ」が売られていますが、現在安全性が確認できている成分でも、今後毒性が確認されるリスクはあります。

 

猫用アロマは日本での取り扱いは少なく、海外では猫のアロマケアとして売られている国があるようです。
オリーブの葉、エキナシアパープリア、シベリアニンジンなどが使われています。

 

また、ペットに使用するハーブの虫除けスプレーもあるようです。
成分はシトロネラ、ペパーミント、レモングラス、ゼラニウムなど虫が嫌うニオイを使っています。

 

虫が嫌うニオイは、同時に猫にも悪影響を与える可能性があります。
そもそも猫に虫除けスプレーは必要がなく、安全性が高そうなハーブの成分でも使用を避けてください。

 

猫がいる家庭での安全なアロマの楽しみ方

猫とアロマ
基本的には猫がいる家庭でアロマを使わないのが一番ですが、猫へのリスクを考慮しながら安全に使いたい方は、次のような対策をしましょう。

 

猫の皮膚に直接アロマを触れさせない

濃度が高いアロマは、猫の皮膚に直接塗って使用してはいけません。

 

皮膚は成分を吸収して体に取り込む作用があるため、皮膚に塗ると猫の体にアロマの成分が入り込みます。
肌から取り込んだ成分は血液中に入り込み、全身に運ばれてしまいます。

 

人間でも原液を使うことが禁止されているアロマが多く、ましてアロマの成分を解毒できない猫に使うのは止めましょう。

 

猫に危険性が少ないアロマは1滴から試して猫の様子をよく観察すること

書籍の情報を頼りに「猫に危険性が少ないアロマ」を使う場合は、猫をよく観察しながら使用してください。

 

最初は1滴からの芳香浴から使い始めて、猫の体に問題がないときだけ使用を続けます。
アロマをたいて猫が嫌がって違う部屋に移動する場合は、使わないほうがいいでしょう。

 

猫は犬よりも嗅覚が優れている動物で、少量の香りだけでも敏感に反応します。
香り自体が猫が苦手だと感じた場合は、猫に安全性があるアロマでも使用を中止してください。

 

アロマを楽しんだ後は部屋を換気する

どうしてもアロマを楽しみたい方は、猫がいない部屋で自分だけが香りを楽しんで、使用後はよく換気してニオイを消しましょう。

 

しかし、飼い主さんの衣類や髪の毛にアロマの香りが付着している可能性があります。
そのままの状態で猫に使づくと、ニオイが嫌で猫は逃げてしまうかもしれません。

 

アロマバスで楽しんで猫を浴室に入れない

人だけがアロマを楽しむなら、アロマバスにする方法もあります。

 

アロマを気化させて吸引する方法と比べると、密室のお風呂で楽しむアロマバスなら、猫へのリスクは減らすことができます。
お風呂から上がるときによく体を流して、浴室は換気扇をかけましょう。

 

フローラルウォーターで香りを楽しむ

アロマの成分がわずかに入ったフローラルウォーターなら、猫へのリスクを減らすことができます。

 

フローラルウォーターは殆どが水で植物成分はわずかです。
化粧水代わりに使うと、アロマの香りを楽しむことができるでしょう。

 

アロマと比べてフローラルウォーターは成分が少ないため、肌に付けてもすぐに香りが飛びます。

 

芳香浴で猫が中毒をおこした報告例はない

アロマで猫の中毒症状が報告されたのは、皮膚からアロマの成分が取り込まれた場合です。

 

芳香浴としてアロマを楽しんだ場合は、猫の中毒症状をおこした報告例はありません。
しかし、吸引する場合も鼻の粘膜から少しずつ成分を取り込むことになります。

 

獣医師のなかでも、「芳香浴でも猫にアロマを使わないほうがいい」と指摘するケースもあるようです。
鼻の粘膜から取り込むアロマの成分はわずかですが、それでも猫はアロマの成分を解毒できず、少しずつ体に蓄積されることを忘れてはいけません。

 

猫を飼っている家庭で芳香浴でアロマを楽しむかは、結果的に飼い主さんの判断にゆだねられます。

 

猫が嫌いなアロマのニオイもある

猫とアロマ
あえて猫が嫌いなニオイを使って、猫よけする商品も売られています。
実際に使って野良猫が近づかなくなる効果があるため、それだけ猫はアロマの香りが苦手なのでしょう。

 

猫よけアロマに使われているハーブ

猫が嫌いな人向けに「猫よけアロマ」の商品が市販されています。

 

ラベンダー、ローズマリー、みかんの皮、ティーツリーなどの成分が配合されています。
園芸店やホームセンターに行くと、ハーブを使った猫よけ商品がみつかるでしょう。

 

アロマを配合した猫よけグッズは、野良猫が庭に入ってくるのが嫌な家庭で使うことが多いです。
猫は柑橘系の香りを嫌うため、強いニオイで猫を寄せ付けない効果があります。

 

実際に猫よけ商品にアロマが入っていることから、猫にとってアロマは苦手な香りだといえるでしょう。

 

猫がいる家庭で避けたいアロマグッズ

猫とアロマ
猫がいる家庭では、次のような商品を使わないようにしましょう。

  • アロマディフュザー
  • お香
  • アロマ機能付きの加湿器
  • 香り付きキャンドル
  • ルームフレグランス
  • 香り付き柔軟剤
  • ノミよけのアロマ首輪

 

アロマの香りを室内に拡散させるアロマディフュザーやアロマ機能付き加湿器はもちろんのこと、香り付きキャンドルやルームフレグランスも注意が必要です。
女性の場合は衣類に柔軟剤の香りを付けている方もいるでしょう。

 

洗濯物に強い香りがあると、猫は鼻が曲がるほどの強いニオイを感じているのかもしれません。
猫に好かれたい人になりたいなら、洗剤は無香料のものを使ってください。

 

 

注意したいのが、ノミよけとして売られているアロマ首輪です。
ハーブを使ったノミよけ首輪は防虫効果がありますが、同時に猫にとっても不快なニオイと感じている可能性があります。

 

いつもキツイニオイが首元からしていることを考えると、猫にとって虐待となっているかもしれません。

 

まとめ

猫がいる家庭は中毒症状のリスクを減らすため、アロマを使わないのが一番です。
しかし、猫を飼ってから「猫にアロマはよくない」ことを知った方もいると思います。

 

中毒症状をおこして身体症状が出るケースは、少なくとも経皮吸収されたときです。
芳香浴の場合それほどリスクはないと考えられています。

 

「知らないで猫がいる部屋でアロマをたいてしまった!」という場合でも、猫に蓄積された成分の量はごくわずかです。
猫への危険性に気が付いたときにアロマを止めればよいのではないでしょうか。