猫のブラッシング頻度とは?嫌がるときのおすすめグッズ6選
猫にとって、飼い主からブラッシングをされるのは気持ちがいいこと。
でも、やり方を間違えると、ブラッシングを嫌がることがあります。
猫を飼うなら、ブラッシングの頻度ややり方を確認しておきたいですね。
また、飼い主さんの手間が軽くなるおすすめグッズも紹介します。
猫にとってブラッシングとは?
猫のブラッシングの必要性に疑問を感じたら、どんな効果があるのか確認するといいですね。
猫同士のコミュニケーションと同じで気持ちがいいこと
猫は舐めることで「安心感」や「ストレス解消」を得ているため、飼い主さんが猫をブラッシングすると喜んでくれます。
数匹の猫を飼っていると、お互いの毛を舐め合っている様子を見ることがあります。
お互いの毛を舐め合うことで、猫はコミュニケーションを取っているのです。
飼い主さんにブラッシングされるのも、猫にとっては同じことです。
猫が気を許している存在にしかやらせない行為のため、猫が飼い主さんにブラッシングさせてくれるということは、十分な信頼関係が築けているといえます。
さらに猫との信頼を深めるために、猫をブラッシングしてあげましょう。
毛や皮膚の健康を保ちフケを取り除く
猫にとってブラッシングは、毛や皮膚の状態を保つ行為ですよ。
毎日大量の毛が抜けるので、ブラッシングで取り除いてあげたいですね。
飼い主さんが毎日猫をブラッシングしてあげれば、猫がグルーミングで飲み込む毛の量を減らすことができるでしょう。
猫は暇があれば毛を舐めているため、毛の一部を飲み込んでしまいます。
飲み込んだ毛の多くは便と一緒に排泄されるのですが、胃に毛玉だが溜まり過ぎると「ヘアボール」という毛の塊を吐き出します。
猫が吐いたものに毛の塊があったら、それがヘアボールです。
草を食べてヘアボールを吐き出すことができますが、胃の中に毛玉が溜まり過ぎると腸を詰まらせ、腸閉塞になることもあるため注意が必要です。
そのため、キャットフードには食物繊維の量を多くして、ヘアボールを便と一緒に排出しやすくしたものがあります。
抜け毛を付着しにくくする効果もあり
猫は毎日自分でもグルーミングをしますが、それでも毎日毛が抜け落ちます。
飼い主さんが適度にブラッシングをしてあげることで、猫の脱げ毛が減るでしょう。
猫を飼っていると衣類に毛が付着して困っている方も少なくありません。
毛は成長期→休止期→脱毛期と3つのサイクルを繰り返しています。
猫の毛が抜け落ちているのは「脱毛期」に入っている毛です。
短期間で猫の毛が抜け落ちることから、猫の毛のサイクルは短いことがわります。
カーペット、ソファなどに猫の毛が付着するのを少しでも減らしたいなら、定期的に猫をブラッシングしてあげてください。
ブラッシングはいつから?
猫のブラッシングは、生後すぐから必要です。
生まれたばかりの子猫も、親から毎日グルーミングをされているので、子猫でもブラッシングは必要な行為だとわかりますね。
猫のブラッシング頻度とやり方
猫にとってブラッシングが重要だとわかったら、次はやり方を確認してみましょう。
頻度
短毛種なら1日1回、長毛種なら1日1~2回のブラッシングが必要です。
ブラッシングの手間を少なくしたいと考える方は、お手入れの簡単な短毛種を選んでください。
短毛種は1日1回スキンシップを兼ねてやる
短毛種は週に2~3回でも大丈夫ですが、スキンシップを兼ねて毎日がおすすめです。
とくに春の抜け毛シーズンは、冬に必要だったアンダーコートが抜けます。
この時期だけは短毛種であっても毎日ブラッシングをしてあげてください。
長毛種は品種によって1日1~2回やる
長毛種は最低でも1日1回、チンチラやペルシャのように毛が絡みやすい品種は1日2回のブラッシングが基本です。
毛が長い猫の場合は、猫がグルーミングのときに抜け毛を飲み込み、「毛球症」になり手術で毛玉を取り出さなければならない場合もあります。
長毛種を飼うということは、それだけ猫に毎日時間を費やす必要があるのです。
やり方
猫のブラッシングは毛の流れに沿って、猫が嫌がらないところから始めます。
長毛種の場合はこまめなブラッシングが必要で、毛が絡んだ時の対処方法も覚えておきましょう。
短毛種のブラッシングのやり方
短毛種なら「コーム」でアンダーコートを除去して、「獣毛ブラシ」で表面を整えるだけでブラッシングは終了できます。
猫のブラッシングは毛の流れに沿ってやると、血行促進効果が期待できます。
- 頭からしっぽに向かって
- 脇からお腹の中心に向かって
- 顔は中心から外側に向かって
このような流れを意識するとよいです。
顔や首回りをブラッシングしてもらうのが好きな子も多く、まずは頭のブラッシングから開始しましょう。
頭や首回りの抜毛は多くないため、短時間でさっと済ませてしまいましょう。
猫が気持ちいい表情をしたら、背中のブラッシングに入ります。
首の付け根からお尻に向かって丁寧にブラッシングすると、抜け毛が出やすいです。
お尻やしっぽに触れられるのを嫌がる子も多いため、無理なら止めます。
お腹のブラッシングも嫌がるようなら無理せず、嫌がらないときだけブラッシングしましょう。
お腹には乳首が多数あるため、力を入れず細かくブラッシングしてあげます。
猫のお腹のブラッシングは金属や木製のものより、柔らかい獣毛ブラシの活用がおすすめです。
長毛種のブラッシングのやり方
長毛種は「荒いコーム」で絡んだ毛を丁寧にほぐしてから、「スリッカーブラシ」で全体をブラッシングしてあげましょう。
ブラッシングする流れも、短毛種と同じで構いません。
長毛種の場合は首回りも毛が絡みやすいため、短毛種より丁寧にブラッシングします。
体全体の絡んだ毛をほぐしたら、ハードタイプの獣毛ブラシで艶出しをしてください。
長毛種は毛先が硬いブラシを中心に使うため、猫の皮膚に当たらないよう注意しましょう。
チンチラやペルシャの毛が絡まったとき
チンチラやペルシャのような長毛種は、1日2回ていねいにブラッシングしてあげないと、毛が絡みやすくなります。
一度絡んだ毛は団子状になってしまうため、少しずつほぐすようにします。
指先を使って毛をほぐすか、荒いコームを使って少しずつ絡みを解いてください。
どうしても毛の絡みが解消できないときは、刃が付いたブラシで毛をカットします。
ハサミを使って絡んだ毛を切ろうとすると猫を傷つける恐れがあるため、避けてください。
あまりにも絡んだ毛がひどくなりすぎた場合は、根元から刈るしかありません。
その場合は猫専用サロンにお願いして、バリカンでカットしてもらいましょう。
猫がブラッシングを嫌がるときの対処方法
子猫のころからブラッシングに慣れていないと、嫌がるかもしれません。
また、嫌な行為と結びつくと嫌がるため注意したいですね。
猫がブラッシングを嫌がる理由とは?
猫がブラッシングを嫌がる理由は、飼い主さんに体を触れられるのに慣れていないから。
ブラッシング=気持ちがいいことだと知れば、猫は嫌がることがなくなります。
また、猫が急にブラッシング嫌いになったら、病気の可能性があります。
「皮膚に痛いところがある」「内臓に病気がある」などの問題が隠れているかもしれません。
猫はどこか具合が悪くなると、人目に付かない場所に隠れようとします。
いつもは飼い主さんの近くにいるのに隠れて出てこなくなったら、病気を疑ってください。
人の手で猫の体に触れることから始める
ごくたまに人に触れられるのを嫌がる猫もいるため、触れられることから慣らしていきましょう。
多くの猫は、子どものころから親にグルーミングをされて、毛に触れたり撫でられたりするのを嫌がりません。
しかし、幼少期から猫や人と触れ合う時間が少ないと、触れられるのに抵抗を持つようになります。
まずは猫がリラックスしているところを狙って、飼い主さんが猫の毛に触れてみましょう。
首の下や背中の毛を、人の指を使ってとかしてあげます。
人の指でブラッシングするだけでも、抜け毛を除去することができます。
まったく触れさせてくれない子は焦らず、少しずつ触れられる範囲を広げていってください。
ラバーブラシで体を撫でるのに慣らす
手で触れられる猫なら、ラバーブラシでお手入れすることに慣らしましょう。
過去にブラシを使って痛い思いをしたことがある子は、ブラシを嫌がることがあります。
ラバーブラシなら人の手で撫でている感触に近く、嫌がらないでしょう。
ラバーブラシに慣れてきたら、獣毛ブラシへと移行していきます。
金属が付いているブラシが難しいようなら、無理に使わないほうがいいかもしれません。
猫が好む顔周りのブラッシングから取り入れる
ブラッシング自体は嫌いでも、顔周りに触れられるのは好む子は多いです。
人が触れるのを慣れている場合は、顔周りからブラッシングすることから慣らしましょう。
猫は気持ちいいと感じて、猫からブラシに顔を押し付けてくることもあります。
ブラッシング=気持ちいいとわかってくれたら、少しずつ背中など範囲を広げます。
最終的にはお腹やしっぽのブラッシングをする
ブラッシングが好きな子でも、お腹やしっぽを嫌う場合は少なくありません。
短毛種であればお腹やしっぽは自分でグルーミングできるため、それほど頻繁にやらなくても大丈夫です。
猫が嫌がるようなら様子を見て、無理強いしないことです。
猫のブラッシングにおすすめのグッズ6選
猫用のブラッシンググッズは、1つか2つを使い分けてみましょう。
基本となるブラッシンググッズを紹介します。
コーム
コームは荒いタイプと細かいタイプがあると、猫の毛を一通り整えることができます。
荒いくしを使って表面にある毛並みを整えて、細かいくしを使ってアンダーコートを除去できます。
飼い主さんの手にフィットしやすく小回りが利くため、長毛種の絡み毛をほぐすときにも便利です。
コームはペット専用のものでなくても、人間用のくしでも代用が可能です。
100均に行くとツゲのくしが売られていることがあるため、チェックしてみてください。
ピンブラシ
ピンブラシは長毛種の毎日のブラッシングに役立つタイプです。
人間が使う丸い形のブラシと形状がよく似ているもので、毛先に丸いピンが付いています。
抜け毛を取るというより、毛並みを整えるために役立つタイプです。
猫を初めて飼う方は、最初からピンブラシを買わなくて大丈夫です。
慣れてから、必要があるときだけ購入するようにしましょう。
ラバーブラシ(ゴム手袋)
ラバーブラシは手にはめて撫でるように使えるもので、毛の除去や猫とのコミュニケーションを深めるために役立ちます。
手袋のような形をしていて、手のひらの部分にゴムやシリコンの突起が多数ついています。
猫を撫でるだけで抜け毛を除去しやすいため、くしやブラシを嫌がる猫におすすめです。
しかし、強く撫でてしまうと、まだ抜け落ちていない毛まで除去します。
猫が「気持ちいい」と感じる力加減で調節して、ほかの道具も組み合わせてください。
獣毛ブラシ
獣毛ブラシは短毛種も長毛種も1つは持っておきたいブラシです。
豚や猪などの天然毛を使ったものは、猫の体をマッサージする効果や、毛を整えて艶を出すために役立ちます。
アンダーコートを除去する作用はないため、コームと兼用しましょう。
獣毛ブラシを使って猫の毛並みに沿ってブラッシングすると、毛のキューティクルが整い、毛の艶感がアップします。
短毛種ならソフトタイプ、長毛種はハードタイプが便利です。
抜け毛ブラシ
抜け毛ブラシは猫のアンダーコートを除去するためのブラシです。
細かなくしが付いているため、通常のブラシでは取り除けないアンダーコートが取れます。
通常のくしだけでは「取ってもきりがない」と感じますが、抜け毛ブラシを使うと毛の抜け変わりの時期に面白いほど除去が可能です。
しかし力を入れ過ぎると、抜けていない毛まで引っ張るリスクがあります。
飼い主さんが面白がってやり過ぎないようにして、猫が嫌がったら痛がっているということです。
スリッカーブラシ
長毛種の猫を飼っている場合は、毛並みを整えるスリッカーブラシも必要です。
スリッカーブラシは四角のヘッドに多数のピンが付いているのが特徴です。
長毛種の毛のもつれを少しずつ除去するためのもので、ピンが皮膚に当たらないよう毛先のみに使います。
短毛種だと毛先と皮膚の位置が近いため、スリッカーブラシは必要ありません。
謝って使ってしまうと、猫の皮膚を傷める可能性があるため避けてください。
猫のブラッシングをやるときの注意点
猫のブラッシングは「無理やりやらない」「1日3分」に注意してください。
ブラッシングした後は掃除機をかけて、飛び散った毛を除去しましょう。
逃げる、噛む猫を無理やりブラッシングしない
猫がブラッシングを嫌がるのを、無理やり押さえつけると、飼い主さんとの信頼関係が崩れてしまいます。
ブラッシングが好きな猫でも、「今は眠たいからやりたくない」などの理由で触れられたくないときもあるでしょう。
猫がブラッシングを嫌がる様子を見せたら、すぐに中止してください。
一度ブラッシングが嫌いな猫になると、次回から猫の気分が乗らずやらせてもらえなくなります。
1日3分程度でブラッシングをやりすぎない
ブラッシングが好きでブラシを見ただけで走ってくる猫でも、長時間拘束されるのは嫌がることが多いようです。
飼い主さんは猫のブラッシングを3分で終わらせるようにしてください。
毎日ブラッシングしていれば、「今日は背中」「今日は胸」などパーツを分けることもできます。
ブラッシングしてからまとめて掃除機をかける
猫をブラッシングしたら周りにたくさんの毛が舞うため、最後に掃除機で吸い取りましょう。
大抵の猫は掃除機の音を嫌いブラッシング中にかけると、ブラッシング自体が嫌いになってしまうかもしれません。
抜け毛の時期はきりがないため適度な時間で切り上げる
春の抜け毛の時期は面白いように毛が抜けますが、きりがないためある程度除去できたらよしとします。
猫のブラッシングを長くやり過ぎると、猫の毛が薄くなってしまいます。
一度にすべてのアンダーコートな抜け落ちないため、毎日コツコツ取り除いてあげてください。
猫のブラッシングで静電気がひどいときの対処方法
ブラッシングで静電気がひどいのは、プラスチック素材を使っているからです。
しかし、部屋が乾燥しやすい時期にも、静電気がおきることがあります。
ブラッシング前にローションを付ける
静電気がひどい猫の場合は、ブラッシング前にローションを付けて対処しましょう。
毛に潤いを与えることで、抜けた毛が舞うのを予防することもできます。
猫の毛に直接吹きかけるもののため、猫が舐めても大丈夫な無添加タイプを選んでください。
スプレーされるのが嫌がる猫は、ブラシに直接スプレーしたり、飼い主さんの手に直接スプレーしたりします。
抜け落ちた毛はコロコロで取り除こう
猫のブラッシングで必須の道具が、コロコロでしょう。
フローリングに落ちた抜け毛や、カーペットに付着した抜け毛も除去できます。
猫を飼っていると衣類に必ず毛が付いてしまうため、お出かけ前にすぐ使えるようにストックしておいてくださいね。
猫のブラッシング中に背中にふけや白い粉があったら?
猫の背中に白い粉があったら、ビックリしますよね。
何らかの原因でフケが発生しているため、ブラシで取り除いてあげてください。
アンダーコート用のブラシで取り除いてあげる
猫が背中を自分で舐められないと、白い粉のようなふけが出ることがあります。
皮膚病にかかっている可能性もあるため、抗菌タイプのシャンプーを使うのもひとつの対策です。
猫のアトピーや食事が原因ということもあります。
通常のブラシやコームでは、猫のふけを除去できないため、アンダーコート用のブラシで毛ごと取り除いであげるのがおすすめです。
猫ブラッシングのおすすめグッズ
猫のアンダーコートを除去する専用のブラシを2種類紹介します。
類似品も多数あるようですが、元祖といえるのはこの2つの商品です。
フーリー
海外でアンダーコートの除去用として人気が高いのが、フーリーというブラシです。
ペット用ブラシ「Foolee(フーリー)」はヨーロッパを中心に人気の商品で、日本にも上陸して愛用者が増えています。
金額が1個6,000円程度でお値段が高いのがデメリットですが、アウトレット商品なら半額で購入が可能です。
ファーミネーター
フーリーと同様にアンダーコート除去用として売られているのが、ファーミネーターです。
商品コンセプトでは「最大90%の抜け毛を除去」とされています。
猫用の商品は4種類で、SとLそれぞれ短毛種用と長毛種用が選べます。
ファーミネーターは人気過ぎて、模倣品が出回るほどです。
正規品は猫を傷つけないよう安全対策にこだわり、返金保証もあります。
猫は毎日ブラッシングをしてあげよう
猫を飼うなら毎日のブラッシングは必要だと考えておきましょう。
抜け毛を予防して猫の健康管理になるだけでなく、猫と飼い主さんとのコミュニケーションも深めることができます。
ブラッシングが気持ちいいと感じている猫は、ブラシを見ただけで自分から「やって!」と駆け寄ってくるようになりますよ。
正しいブラッシングのやり方を覚えて、猫ともっと仲良くなりましょう。