猫に散歩は必要?要らないが、散歩させたい人向け対策
「猫が外に出たがってストレスを感じている」
そんな状況なら、猫にハーネスを付けて散歩に出かけてみませんか?
猫を放し飼いするのは病気や事故のリスクもあるため、おすすめできません。
散歩方法や、必要なグッズを用意して、猫と外の世界を楽しんでみましょう。
猫に散歩は必要?いらない?
完全室内飼いの猫に散歩は不要です。
しかし、保護猫など外の世界を知っている猫は、散歩に連れ出すと喜びます。
猫は室内の運動で十分足りる
猫は室内の上下運動ができれば運動不足になることはありません。
人間の感覚からすると「たくさん歩かせないと運動不足になる」と思ってしまいますが、猫はもともと広い縄張りを必要としないのです。
広さを重視するより、猫が上ったり下りたりできる運動を優先させる必要があります。
部屋にキャットウォークやキャットタワーがあれば、猫は「もっと運動したい」とは思っていないでしょう。
猫がときどき室内をダッシュするのは、エネルギー発散の意味があります。
若い猫だとときどき夜中の運動会を開催することもあるでしょう。
猫は瞬発的な動きでエネルギーを発散するタイプで、犬のようにダラダラと歩かせて運動をさせる必要はないのです。
猫が嫌がるなら無理に散歩をさせる必要はない
そもそも猫自体が「外に出たい」と思っていないなら、猫に散歩は不要です。
完全室内飼いで、生まれたときから一度も外に出たことがないと、外に猫を連れ出しても恐怖心しか感じないようです。
怖がっている猫を無理やり外に連れ出せば、猫はストレスを感じています。
もしかしたら、外に出したときに猫がパニックをおこして逃げてしまうかもしれません。
完全室内飼いの猫にとって、外の世界は怖い存在なのです。
保護猫なら散歩でストレス発散させることができる
以前は外で暮らしていた猫なら、散歩させることでストレス発散になります。
外の開放感や面白さを一度体験した猫は、飼い猫になっても「外に出して欲しい」と自分からせがむこともあります。
人も外で過ごせば太陽の光や風を浴びることができて、気持ちいと感じるでしょう。
猫も外に出れば季節を感じることができて、鳥や虫の刺激もあって楽しいはずです。
飼い猫を外に出すと目をキラキラさせている様子を見ると、猫も野生の特性を持っている生き物だということがわかります。
猫を散歩させたいなら
猫を散歩に連れて行くと、感染症のリスクが高まります。
道端の草を食べて有害な物質を取り込む可能性もあるため注意しましょう。
ワクチンを打って病気予防をする
猫を外に出すと外界にある病原菌をもらうリスクがあるため、ワクチンを打っておきます。
ワクチンは3種ワクチンなら、猫ヘルペスウイルス、猫カリスウイルス、猫パルボウイルスから猫を守ってくれます。
野良猫はウイルスを持っている可能性があるため、野良猫との遭遇や、野良猫の糞やオシッコのリスクから守るため、飼い猫にワクチン接種が必要です。
外に出すことが多い猫は、1年毎にワクチンの接種が推奨されています。
完全室内飼いの猫の場合は、数年に1度のワクチン接種でも問題ない感染症もあります。
草に付いている農薬や除草剤に注意する
猫を散歩に連れて行くと草を食べようとするため、農薬や除草剤に注意しましょう。
「自分の庭だけなら大丈夫」と思ってしまいますが、近所の家が散布した農薬や除草剤が飛び散ってくるリスクもあります。
体の小さな猫は、少量の農薬や除草剤でも影響が出やすいです。
道端に生えている草を食べると、寄生虫のリスクもあります。
草と一緒に虫の卵も食べてしまう可能性があるため、猫に食べさせないようにしましょう。
猫の散歩方法
猫の散歩に挑戦したい場合は、室内で猫にハーネスを付けるところから始めます。
ハーネスに慣れたら玄関先や庭で猫を遊ばせてみましょう。
首輪やリードではなくハーネスが必要
猫は首輪抜けがしやすいため、体に通すハーネスを選んでください。
ハーネスなら腕と胴にもしっかり通り、猫が逃げ出す心配がありません。
首輪をきつく締めても猫は狭い場所を通り抜けられる性質があるため、簡単に抜けてしまう可能性があります。
ハーネスなら猫の首に負担をかける心配もなく、脱走のリスクもありません。
サイズが合ったものでないとハーネスでも抜けてしまうため、家庭で試して抜けないことを確認してください。
まず家の中からハーネスに慣らしてみる
猫の多くは初めてのハーネスは嫌がるため、家で付けることから慣らしましょう。
おもちゃで猫と遊んでいるときにハーネスを付けると、猫がハーネスを付けていることを忘れてくれます。
普段から遊びの時間帯だけでもハーネスを付けて慣らすのがおすすめです。
「ハーネスを付けると楽しいことがある」と猫にも思わせることができれば、猫はハーネスを嫌がらなくなります。
ハーネスを付けることに慣れたら、家の中で猫を歩かせてみましょう。
猫をリードで無理に誘導しようとしないで、猫が行きたい場所に行かせてあげるのがポイントです。
猫を抱っこして外の環境に慣らす
外の世界に慣れていない猫は、猫を抱っこして外の空気に触れさせます。
いつもと違うニオイがして、猫は鼻をクンクンさせて興味を持つはずです。
猫は大きな音がするとビックリしてしまうため、人や車通りが少ない時間帯を狙って慣らしてみてください。
家に庭があるなら、猫を庭に出すことから慣らしましょう。
庭なら時間帯を気にすることもなく、静かな環境で猫を外の世界に慣らすことができます。
猫を庭に出して一緒に散歩をしてみよう
猫を連れて近所を散歩させることは難しいため、庭で遊ばせるのがおすすめです。
近所を散歩させようとすると、猫は他人の家に入ろうとしたり、物陰に隠れようとしたりします。
猫は臆病なため、人が思っているようにまっすぐ歩いてはくれません。
猫を外の世界に触れさせたいなら、玄関前や庭先でも十分です。
あまり遠くに猫を連れて行くと、脱走して迷子のリスクもあるため避けてください。
猫を散歩させるメリット
猫を散歩させると、「肥満予防」と「日光浴」のメリットがあります。
飼い主にとって、散歩で気持ちよさそうにする猫の姿を見るのが、何よりも至福のときではないでしょうか。
肥満の猫を運動させることができる
室内飼いの猫は1日の大半を寝て過ごすため、肥満になることがあります。
猫の肥満は去勢や避妊でホルモンバランスが変わることや、フードの問題もあります。
必ずしも運動不足だけで肥満になっているわけではありません。
しかし、家猫はやることがなく暇なため、1日中寝て過ごし運動不足になることがあります。
飼い主さんが1日数十分遊んであげるより散歩が楽だと感じるなら、猫を外に連れだすのもいいかもしれません。
猫本来の暮らし方を体験させることができる
猫にとって外の世界は刺激がたくさんあって、ストレス解消になります。
本来の姿であれば、猫は自由に外で日向ぼっこをしたり、虫をとったりしています。
猫を外に出すことで紫外線を浴びて、皮膚を舐めることでビタミンDを摂取していると考えられています。
太陽の光に当たることで皮膚の殺菌や、ノミやダニの退治もできます。
室内で猫が日光浴できる場所が少ない場合は、猫を散歩に連れていきましょう。
猫を散歩させるデメリット
猫を散歩に出すということは、感染症や交通事故のリスクがあります。
外に連れさなければ起きないことなので、最初に確認しておきましょう。
ノミやダニが猫の体に付く可能性がある
猫が長い時間外で過ごせば、ノミやダニのリスクが付きまといます。
散歩に猫を連れて行ってから痒そうにしている場合は、動物病院に連れて行って、薬を処方してもらってください。
定期的に猫を洗ってノミやダニを駆除する必要もあるでしょう。
家庭内にノミやダニのアレルギーを持つ方がいるなら、猫を散歩に連れて行くのは止めておいがほうがいいかもしれません。
ハーネスが外れて猫が車にひかれるリスクがある
外に慣れている猫でも、何かのきっかけでビックリして走り出してしまいます。
飼い主さんがうっかりハーネスを離してしまえば、猫の危険性は高まるでしょう。
犬と違って猫は言葉で制御することはできず、車が来ているのにパニックになって、逆に車のほうに走り出す場合もあります。
猫をひいてしまった運転手を責めるわけにもいかず、ぶつけられない気持ちだけが残ることになるのです。
猫の散歩をリードなしでやるのはシニア猫におすすめ
猫をリードなしで散歩させるのは基本的に、逃げ出すリスクを考えてNGです。
しかし、シニア猫になってくると動きがゆったりとして、庭だけならリードなしで散歩させることができることがあります。
その場合も、近所の家に入り込まないよう、ゲートを付けてください。
どの家庭でも猫が好きとは限らず、猫に糞やオシッコをされて迷惑に感じている方もいるためです。
猫との時間は10~20年ですが、近所との付き合いはずっと続きます。
猫を散歩させるおすすめグッズ
猫を散歩に連れて行くときにおすすめのグッズを紹介します。
散歩が楽しくなるグッズを用意してみましょう。
ハーネス
猫のお散歩用として使う方も多い、しっかり猫の体をホールドできるハーネスです。
中綿入りのソフトな付け心地で、猫の体に負担が少なくなっています。
実際にたくさんの猫ちゃんに装着して試して、お散歩しやすい形に改良されています。
猫に付けても抜けにくい構造で、安心して猫との散歩が楽しめる商品です。
カラフルな柄とS~Lまでの豊富なサイズも魅力となっています。
バギー
メッシュ付きのバギーのため、猫の飛び出し防止になります。
猫をカートに入れて散歩させる意味はないと思いますが、いつでもどこでも猫と一緒に過ごしたい方は活用してみてください。
カート内には飛び出し防止のリードが付いています。
猫をカートに入れる場合は、必ず猫の体にハーネスを付けて、カート本体のリードとつないでおきましょう。
本体は3.8kgで、女性でも扱いやすいサイズです。
リュック
猫を連れてお出かけしたいときに便利なリュックです。
リュックは猫の前抱っこにも、後ろ抱っこ用にも活用できます。
メッシュの窓付きで、猫と一緒に移動するときに猫の呼吸を妨げません。
容量は8kgのペットまでのため、猫を入れても余裕があります。
動物病院に連れて行くときに活用することもできます。
まとめ
猫を散歩に連れて行く必要性はないのですが、外に出たい欲求がある猫はハーネスを付けて連れ出してあげましょう。
放し飼いをするのは病気や事故のリスクもあるためおすすめできません。
ハーネスを付けた散歩なら、猫の安全性がある程度は管理できます。
猫を遠くに連れ出すとストレスになることがあるため、玄関前や庭先で遊ばせる程度でも十分満足してくれるでしょう。
公園に連れていける猫にしたい場合は、子猫のころから散歩に慣らしてみてくださいね。