猫を叩くしつけは怯えるためNG
猫がいたずらをしたとき、猫を叩いてもいいと思っていませんか?
叱る人を猫は怯えるようになり、問題行動を隠れてやるようになります。
基本的に猫にしつけをすること自体ができません。
飼い主さんが猫の問題行動を減らす努力をする必要があります。
なぜ猫を叩いてしつけてはいけないのか紹介します。
猫をしつけで叩くリスク
- 猫がカーテンに上がる
- トイレ以外で粗相をする
- キッチンに入ってくる
など、猫を飼っている方は困っていませんか?
しかし、猫を叱るときに叩いてはいけない理由があるのです。
猫は叱る人に対し怯えるリスク
猫のいたずらや迷惑行為をしても、飼い主さんは猫を叩いてはいけません。
「叩かれた=攻撃してきた」と猫は判断してしまうためです。
猫を叱るときに飼い主さんが何度も叩いていると、猫は飼い主さんのことが怖くなります。
怯えて狭い場所から出てこない猫になるリスクもあるでしょう。
猫が飼い主さんに対し恐怖心を持ってしまうと、猫との信頼関係が崩れます。
- うちの猫は懐かなくて可愛くない
- 猫が威嚇するから怖くて触れない
このような問題のある関係性になってしまいます。
猫の性格が悪いのではなく、飼い主さんのしつけ方が間違っているためです。
直後でないと猫をしつけで叱っても意味がない
猫が飼い主さんに叩かれても、なぜ怒られたかわかりません。
たまたま猫がいたずらした直後に飼い主さんが叱れば、猫はわかってくれます。
しかし、そうタイミングが合うでしょうか?
大抵の猫は叩かれた意味を理解していない
飼い主さんが「また猫にいたずらされた」と思っていても、猫にしてみれば遊んでいるだけです。
そんなときに飼い主さんが怒っていても、「この人は怖い人」くらいにしか思っていません。
だからといって、猫に知能がないわけではないのです。
猫の知能は人間の3歳程度だといわれているため、学習能力はあります。
ただ、覚えるのが「怖かった」「嫌だった」という記憶が優先されてしまいます。
猫の記憶を逆手にとれば、嫌な記憶とやってはいけない行動を結び付けることは可能です。
猫をしつけで叩き続けるとおこること
猫をしつけるために飼い主さんが叩き続けるとどうなってしまうのでしょうか?
飼い主さんは猫になったつもりで、どうなるか考えてみてください。
いつも猫がストレスを感じてしまう
飼い主さんに猫が何度も叩かれていると、猫は恐怖心や不安感を持ちます。
猫にもうつ病があるようで、極度の恐怖心を毎日感じていると、精神がおかしくなることもあるでしょうのです。
たとえば、飼い主さんが狭い場所に閉じ込められて、毎日鬼と一緒に暮らしていることを想像したらどうでしょうか?
できるだけ鬼を怒らせないよう気を遣い、自分の身を守ろうとするはずです。
そのときのストレスは大きく、正常な人格を維持できるとはいえないと思います。
頻繁に叩かれている猫も、同じ気持ちを味わっていることを忘れないでください。
鼻の軟骨が歪む可能性もある
猫を叱るときに叩くことはなくても、猫の鼻を指でピンっと叩くことは、猫を飼っている人なら一度や二度はやったことがある人は少なくないと思います。
しかし、強く猫の鼻を叩き過ぎると、鼻の軟骨が歪むリスクがあるのです。
飼い主さんが自分より2倍も3倍も大きい生き物に、鼻を叩かれたらどうでしょうか?
思ったよりすごい衝撃と恐怖心があるはずです。
猫の鼻が曲がることがなかったとしても、猫と飼い主さんの信頼関係は失います。
猫を殴って鼻血が出ればそれは動物虐待
しつけのために猫を叩いたのを通り越して、猫を殴り鼻血を出したことがあるなら、それはもう動物虐待です。
猫の脳に影響が及ぶ可能性があるため、絶対にやめてください。
猫をしつけで叱るときのコツ
猫を叱るときのコツは、猫をビックリさせる、猫が失敗するようにすることです。
嫌な思いをすると、猫はその場所や行為を避けるようになります。
声や音で猫をビックリさせること
猫のいたずらを止めさせるときは、猫を音でビックリさせます。
体罰だと猫との信頼関係を失いますが、一瞬だけ猫を驚かせて行動を止める方法なら、猫との関係性を崩す原因にはなりません。
猫の聴覚は犬より優れているため、音でビックリさせる方法が効果的です。
飼い主さんが声で叱り続けていると、猫から「この人は怖い人」と思われるリスクもあるため、手を叩く音や新聞紙の音を使って猫をビックリさせましょう。
猫の嫌がる水を猫に吹きかける
猫の祖先は砂漠地方で暮らしていたため、猫は水を嫌う性質があります。
いたずらする猫を叱るときは、霧吹きで水を猫に吹きかけましょう。
少しでも猫の体に水がかかると嫌がるため、かなりのしつけ効果が期待できます。
しかし、水だけだと猫が忘れてすぐに効果がなくなります。
直接猫にスプレーするのではなく、猫が嫌がるニオイをいたずらされたくない場所に吹きかけておく方法がおすすめです。
ニオイで猫を近づけさせない対策なら、ニオイが持続する間は効果が期待できます。
猫しつけスプレーに関する詳細は、下記の記事でチェックしてみてください。
ベタベタで侵入させないようにする
猫は皮膚にベタベタするものが付着するのを嫌います。
試しに猫にガムテープを付けてみると、嫌な顔をするはずです。
テーブルに猫を乗らせたくないなら、テーブルの上にガムテープトラップを仕掛けておきましょう。
何度も繰り返しているうちに、猫は学習します。
台に猫が登れないよう工夫してみる
猫が「キッチンに上がらないようにしたい」「棚に登って欲しくない」などの問題があるなら、猫が失敗するよう背ける方法があります。
いつも上がる場所に、不安定になるよう板を乗せておきます。
棚の幅よりも手前に板をずらして、猫が上がったときにグラグラするようにしましょう。
すると猫は上がるのに失敗して、「嫌な思いをした場所」だと覚えます。
失敗すると自然とと猫が避けるようになるため、猫を叱るより効果的です。
猫はしつけで叱られて反省することはない
猫を犬のようにしつけようとする人がいますが、そもそも性質が違います。
頭ごなしに押さえつけるより、猫との良い関係性を築きながら過ごすと上手くいきやすいです。
猫は犬のようにしつけができない
犬のしつけができるのは、犬はリーダーに従う性質があるためです。
群れで暮らす犬は、リーダーのご機嫌を取らないと餌にありつけません。
猫は単独行動をするため、飼い主さんに媚びを売る必要がないのです。
複数の猫と共同で暮らす必要がないために、猫は誰かに合わせるとか、言うことを聞くという認識がありません。
飼い主さんと猫の関係は、親子のようなものです。
飼い主・・・ママ
飼い猫・・・子ども
とくに去勢や避妊手術をした猫は、永遠の子どものようにふるまいます。
猫が飼い主さんと一緒にいるのは親のような存在だからであって、リーダーでもなければ、猫より下の存在だとも思っていません。
もともとの猫の性質を理解すると、猫のしつけが難しいことがわかるでしょう。
たくさん猫を褒めて信頼関係を獲得したほうがいい
猫は自由気ままで、飼い主さんに合わせることがない生き物です。
基本的に猫を「叱る」「しつける」ことはできないと思っておきましょう。
猫がいたずらをしても、飼い主さんはおおらかな気持ちで過ごし、猫との関係性を築いたほうが、猫との暮らしは上手くいくはずです。
猫は犬のように「飼い主さんを喜ばせたい」気持ちはありませんが、猫自身が嬉しいことは積極的に行動するようになります。
飼い主さんが猫を喜ばせるようにすれば、猫との関係性も上手くいくでしょう。
- 撫でてもらって気持ちよかった
- ブラッシングをしてもらった
など猫が好きな行動を飼い主さんが積極的にやってあげると、名前を呼ぶだけで近寄ってくれる可愛い猫に育てることができます。
猫にしてはいけないしつけと叱り方
猫を叱るときは、やってはいけないことがあります。
まったく意味がない行為もあるため、確認しておきましょう。
猫をケージなどに閉じ込めてしまう
猫がいたずらをしたからとケージに閉じ込めても、猫はなぜケージに入れられたかわかりません。
そのため、基本的に罰として猫を閉じ込めても意味がありません。
しかし、若い猫で遊びに興奮しすぎたときは有効です。
手が付けられない猫は、いったんケージに入ってもらって心を落ち着かせてもらいます。
猫を叱るというより、落ち着いてもらうための手段です。
狭い場所にいると猫は自然と落ち着くため、暴れすぎる猫にだけ使ってみましょう。
大声を張り上げて猫を怒鳴る
猫には飼い主さんから言葉で叱られても、「反省する」気持ちがありません。
ただ、そのときに恐怖を感じているだけです。
大声を張り上げて怒っている人は、猫にとってみれば「威嚇されている人」に過ぎないのです。
逃げた猫を追いかける
飼い主さんに「コラッ」と怒鳴られただけでも猫は怖いのに、逃げた猫をさらに飼い主さんが追いかけまわせば、猫を恐怖に陥れるだけです。
猫に怖い思いをさせれば「猫が反省するだろう」という認識は間違っています。
猫の名前を呼びながら叱る
猫は人の言葉を理解することができませんが、飼い主さんが発する言葉のイントネーションは何となく理解できます。
「タマ」という猫に対し、「ヨマ」と呼んでも反応するでしょう。
猫は自分の名前を理解している生き物のため、名前を呼びながら猫を叱ることは避けてください。
自分の名前を猫が「怖い言葉」と認識すると、飼い主さんが普通に猫の名前を呼んでも、猫が近寄ってこなくなります。
まとめ
猫がいたずらをしたからといって、叩く体罰は絶対にダメです。
反省するどころか、飼い主さんを怖がって、さらに猫の問題行動がエスカレートする可能性があります。
とくに子猫のうちは、「カーテンに上がる」「棚の上の物を落とす」「物をひっかきまわす」など飼い主さんにとって問題だと思える行動をよくします。
猫は遊びのつもりのため、子猫のうちは目をつぶる心の広さも必要です。
子猫のしつけ方は、下記の記事でも確認してみてくださいね。