老人は猫を飼うことができる?注意点あるが工夫して飼えます
「老人は猫を飼うのを諦めたほうがいいのだろうか?」
あなたは、このような悩みがありませんか?
高齢の親が「猫を飼いたい!」と言い出したら、心配になりますよね。
私も同じような経験があって、私の考えは母に「逆に飼ったほうがいいよ」と勧めました。
それは、以下の理由があったからです。
- 1人暮らしの母に生き甲斐をもってほしい
- 猫を飼うと母の幸せな様子が想像できる
1人暮らしの母は20年以上一緒に暮らした猫を亡くしてしまいました。
猫を飼っていたときと比べて母は元気がなさそうだったので、「また猫を飼ってみたら?」と何度も提案したのですが、結局は飼うことはありませんでした。
高齢になってから猫を飼うと、いろいろな不安があるからなのかもしれません。
「自分の体調が悪くなったら猫をどうする?」
自分のことより娘の私を心配してくれるような優しい母なので、猫を飼って自分が幸せになることよりも、猫が不幸にならない選択を優先したようです。
年齢を重ねた私は、今なら母の気持ちはよくわかりますね。
でも、母は自分を犠牲にするタイプだったので、「もっと幸せになってもよかったのではないか?」という後悔の気持ちや「万が一のときは私が面倒みるから!」と母に言ってあげればよかったという気持ちが残っています。
このような理由から、私は「老人でも工夫すれば猫を飼える」と考えています。
老人でも猫を飼いたいと悩んでいる方や、老人の親が猫を飼いたいと言ったときに家族が役立つ情報を紹介しますので、参考にしていただけたら幸いです。
老人が猫を飼うことはできる?
老人でも、猫を飼うことはできます。
ただし、若い人が猫を飼う事情とは異なるので、「制限つき」だと考えておいてください。
老人が猫を飼うとメリットがある
まずは、老人が猫を飼うメリットから見ていきましょう。
- 健康寿命が長くなる
- 認知症予防になる
- リラックスにつながる
- 責任感が生まれる
- 生活にメリハリができる
老人になると子育てを終えているので、生き甲斐がなくなる人は少なくありません。
女性なら「これからは自分の趣味を楽しもう!」「今まで行けなかった旅行を楽しもう」「孫に会うため元気でいよう」など生き甲斐を見つけられ方もいますね。
それらの行為はすべて自分のためなので、思ったより幸せを感じられない人もいます。
なぜなら、人が「幸せだな~」と感じる瞬間は、誰かのために役立ったときだからです。
老人になると子育てという生き甲斐がなくなるので、人生にハリがなくなりますね。
そうなるととたんに老け込む人は少なくありませんが、猫を飼うことでまた「誰かのために自分が役立つんだ!」という生き甲斐を感じることができます。
猫がいれば「この子のために長生きしなきゃ」と思うので、食事や健康に気を使いますね。
すると生活にメリハリがつくようになり、猫に触れることでストレス解消になって、健康寿命を延ばすことに役立つのです。
最後の年齢とは?
里親募集団体などの条件を見ると、60歳~65歳が限界のようです。
私の母は60代だったので、私は「まだ母でも猫を飼える」と考えたため、母にまた猫を飼うことを勧めました。
60代であればまだ健康な方は多いので、猫の寿命が15年だとしても問題はありません。
猫が15歳で亡くなるとすれば、飼い主は75歳になり老人の仲間入りとなります。
年齢が70代や80代になってくると、猫を飼うのは諦めたほうがいいかもしれません。
老人だといえる年齢になってくれば、飼い主が入院したときや認知症になったときに、猫に可哀そうな思いをさせてしまうからです。
ペットレンタルという選択肢も
70代や80代の老人でも、まだまだ猫を飼うのを諦める必要はありません。
ペットレンタルを利用すれば、短期間の間だけでも猫を飼うことはできますよ。
レンタル費用は、1週間で1万円くらいです。
月に1度1週間猫を借りるだけでも、健康効果や癒し効果が得られそうですね。
「でも、猫をレンタルするのはどうなのだろうか?」
生き物をビジネスにするのを嫌う声もありますが、ペットを飼いたくても飼えない老人には喜んでもらえるサービスだといえます。
ペットレンタルを選ぶなら、以下の点に注意して選びましょう。
- 猫の教育を学ぶ講習があるか
- 万が一の際の保証金はあるか
猫を物だと考えておらず、「人のために役立ちたい」という想いで運営されているなら、猫が不幸になる貸し出しはしないので、講習や保証金を設けていることが多いようです。
地域猫を見つける方法もおすすめ
どうしても「猫を飼うのは不安」という方は、地域猫を見つけてみましょう。
地域猫とは、野良猫を繁殖させないよう去勢や避妊手術をしたうえで、ご飯などのお世話をすることです。
猫の自由を奪うことがなく、猫と持ちつ持たれつの関係性を築くことができます。
地域猫をサポートしている人がいれば、一緒に猫をお世話する際に会話も弾みますね。
犬を飼っている飼い主同士だと散歩などで交流が生まれるようですが、猫の飼い主はそうはいかないので、地域猫を一緒に支援して仲良くなるといいと思います。
地域猫なら集団で猫をサポートするので、高齢の方に何かあっても安心ですよ。
猫が集まる場所を見つけたら、何度も通ってみると、地域猫にご飯をあげている人に出会うことができると思います。
老人が猫を飼うときに注意したいこと
私は「老人でも工夫次第で猫を飼える」と思っていますが、やはりリスクはあります。
家族の支援がないなら、老人が猫を飼うのは諦めたほうがいいかもしれません。
飼えなくなったときの対処法を考えておく
私は、小さなアパートを母から譲り受けて管理していました。
その部屋に老人と犬が住んでいたので、「この住人に何かあったら、この犬はどうなるのだろう?」と考えていました。
それから2~3年くらい経ったとき、その万が一のことが起きてしまったのです。
住人の老人は少し前から呼吸を辛そうにしていて、酸素ボンベを使っている様子を見ることがありました。
犬を飼っているからなのか、その方は入院せず自宅で療養していたようです。
しかし、療養で改善することはなく、老人は亡くなられてしまいました。
そのとき私が感じたことといえば「犬は大丈夫?」ということです。
幸い、老人が亡くなられて犬が放置されることはなく、家族が対処してくれたようなのですが、誰にも発見されず犬が餓死することがあったと思うとゾッとしました。
老人の家族は本当の娘ではなかったので、「犬は大丈夫です!」と言っていましたが、もしかしたら保健所に引き取ってもらったのかもしれません。
結局犬の行方は聞くことはできなかったので、私としても犬が生きて誰かに飼われているのか心残りがありました。
老人が猫を飼うということは、同じことが猫にも起こるリスクがあります。
残された猫が何日もご飯を食べられなかったら?辛い思いをさせたうえに猫を死なせてしまったら?
老人が猫を飼うときに心配なのは、自分に何かあったときですよね。
猫を飼うなら、家族とこまめに連絡を取り合うようにして、自分に何かあったら家族に猫を引き取ってもらえるよう話しておく必要があります。
入院時は預かりボランティアを探す
猫の保護団体によっては、高齢の飼い主に何かあったら猫を引き取るサービスを提供しているところがあります。
札幌の「ツキネコ北海道」では、実際に永年預かり制度があるそうですよ。
年齢で猫を飼うのを諦めさせてしまうのか、と疑問に思ったところから、発想の転換により「猫を預けて、面倒が見られなくなれば戻してもらえばいい」と思い永年預かり制度を構築しました。引用:@DIME
永年預かり制度は、保護猫を譲り受ける方法と同じです。
猫を譲り受けた方に飼えない事情があるときは、猫を引き取ってもらえるので、こういった制度を利用するのもいいですね。
ただし、保護団体から猫を譲り受けるときは、細かい条件があります。
- 年1回のワクチンを接種できること
- 医療費を負担できる約束があること
- 譲渡時に実費の負担あり
どの項目も猫を真剣に飼う気持ちがあるなら簡単なことですが、少しでも気になる点があるなら、猫を飼うのは諦めてレンタルがいいかもしれませんね。