猫がビニールを食べる・なめる・噛む理由とは?
「猫がビニールを食べた!」
そんなときは慌てず行動してください。
猫によってはビニールをなめる、誤飲、噛むなどの行動も見られます。
なぜ猫がビニールを食べるのか、ビニールを食べたときの対処法も紹介します。
猫がビニールを食べたら?
猫がビニールを食べたら動物病院に行くことをおすすめします。
少量ならうんちと一緒に出てきますが、出てこない場合や、猫の体調がおかしいときは受診しましょう。
食べた直後なら引っ張り出す
猫がビニールを食べている姿を見たら、すぐにやめさせてください。
まだ口の中にビニールが残っている場合は、引っ張り出してあげましょう。
長いビニールを飲み込んでしまい、喉に途中でつかえていることもあります。
猫の喉や食道を傷つける可能性があるくらい長いなら、無理に引っ張り出さないでください。
ビニールを食べたら動物病院に行く
ビニールは長いまま猫のお腹の中に入る可能性もあるため、誤飲したら病院に行きます。
長いビニールがそのまま気管に詰まれば呼吸困難になります。
腸に長いビニールが詰まれば、腸閉塞になってしまうかもしれません。
小さなビニールでしたら胃で消化されず、そのままうんちと一緒に排出されます。
しかし、猫がどのくらいの量のビニールを食べたのかわからないときは、万が一のことを考えて動物病院を受診してください。
猫に症状が見られたらすぐに受診
- 吐きたいのに吐けない
- 呼吸が苦しそう
- お腹を触るのを嫌がる
- うずくまって動かない
このような症状が猫に見られたら、どこかにビニールが詰まっています。
ビニールが胃に長期間とどまり続けると、すぐに症状が出ないことがあります。
数ヶ月や数年かけて猫の食欲が落ちていき、体調不良になるケースもあるようです。
動物病院で伝えること
動物病院ではビニールを食べてしまった可能性があることを伝えます。
どんなもので、どのくらいの量を飲み込んだのか、いつから症状が出ているのか伝えると、診察しやすくなるでしょう。
ビニールがどこかに詰まっているときは、開腹手術が必要なことがあります。
猫を全身麻酔にかけて取り出さなければならず、できるだけ避けたいことです。
ビニールの誤飲で吐かせる方法
猫がビニールを誤飲してしまっても、飼い主さんが無理に吐かせないでください。
飼い主さんが猫の口に指を突っ込んだり、背中を叩いたりする方もいるでしょう。
どちらにしても猫の体を傷つけるリスクがあるため止めてください。
猫の呼吸がおかしくて、喉からビニールが見えているとき以外は、無理に吐き出そうとしなようにしましょう。
お尻からビニールが飛び出ていても無理に抜かない
うまく胃から腸にビニールが移動してくれても、長くて肛門から出ないことあります。
猫の肛門からビニールが飛び出ていたとしても、飼い主さんが無理に引っ張らないでください。
うんちと一緒に出てこない場合は、ビニールが長い可能性があります。
長いビニールを飼い主さんが無理やり引っ張ると、猫の腸を傷つける可能性があります。
出ているビニールを短く切ってあげて、どこかに引っ掛けてビニールが引っ張られないようしてあげましょう。
この状態ですぐどうにかなるわけではないため、救急病院に行く必要はありません。
動物病院があく時間を待って、受診するようにしましょう。
もし猫の様子がおかしければ、行きつけの動物病院に電話すると、時間外でも診てくれることがあります。
地域に夜間の救急にも対応する動物病院があれば、情報を教えてくれるでしょう。
猫がビニールをなめる・噛む・誤飲する理由
猫がビニールを食べてしまうのは、猫の種類の特性や、狩りの延長、病気やストレスなども考えられます。
解決できる問題から試してみて効果がなければ、遺伝的な問題かもしれません。
猫の種類による特徴のため
猫の種類によって、食べ物以外のものを口にしてしまうことがあります。
とくに東洋系の猫は布や毛糸などを口にするケースが多いようです。
日本で飼われている猫も東洋系の種類が多く、「うちの猫は毛糸をすぐに食べてしまう」と困っている飼い主さんも少なくありません。
猫が毛糸を食べてしまうことをウールサッキングといいます。
ビニールだけでなく繊維質のもを食べやすい猫もいるため、注意してあげましょう。
食べられるか確かめるため
子猫は何でも口にして、食べられるものか練習しています。
ビニールを食べてしまうのも、子猫の練習のなごりだとされているようです。
子猫にとって遊びも狩りの練習で、狩りをした獲物が食べられるか確かめるため、口にしようとします。
猫が去勢や避妊をすると子どもの心を持ったまま成長するため、子どもの頃の特徴を大人になっても持ち続ける猫がいます。
ビニールを食べるのは猫にとって遊びや狩りの一種なのです。
猫はカサカサした音に惹かれやすいため
猫はカサカサした音がとても好きで、ビニール袋を好む猫が多いです。
カサカサという音は虫が動く音と似ていて、猫の狩りの本能を掻き立てています。
ビニール袋でなくても、キャットトンネルもカサカサした音を採用したものも多く、猫に飼い与えてみると喜んでくれるはずです。
食品が付いていたビニール袋のため
食品が付いていたビニール袋で、猫が間違って「美味しいもの」と認識したことも、猫がビニール袋を誤飲する原因となっています。
猫が興味をひくニオイや味が付いたままのビニールを放置して、ビニール袋そのものを美味しいものだと勘違いしたためです。
ペロペロとビニール袋を猫が舐めているときは、味を覚えた可能性があります。
ビニールを食べる病気にかかっている
猫が寄生虫などの消化器官の病気にかかっていると、ビニールを食べることがあります。
消化器官の不快感を解消しようとして、猫はビニールを食べてしまっているのです。
野良猫を保護したときや、子猫を譲り受けたときは、寄生虫に感染していないか動物病院で調べてもらってください。
ストレスを解消しようとしているため
猫がストレスで食べ物ではないものを口にすることを、異嗜行動(いしこうどう)といいます。
遊ぶ量が足りずストレスが溜まっているときや、親からの愛情が足りないと異嗜行動が見られることがあります。
ビニールだけでなく輪ゴム、毛糸、観葉植物なども食べるため注意が必要です。
猫が布をもみもみしている行動も赤ちゃん返りです。
親から早く離されて愛情が足りないと、布を食べてしまう子猫もいます。
飼い猫の場合は、飼い主からの愛情不足も考えられるでしょう。
ストレスが原因だと考えられる場合は、飼い主さんは猫とよく遊んであげてください。
猫が疲れるくらい毎日しっかり遊んであげると、ストレスが溜まりにくくなります。
お腹が空いているため
栄養不足やお腹が空いているために、ビニールを食べる猫もいます。
キャットフードは総合栄養食を選んで、栄養が偏らないようにしてください。
餌の量はパッケージに書かれている量を目安にしながら、猫が足りる量を与えましょう。
猫がいる家庭で注意したいビニールの種類
猫がいる家庭では、ビニール製品を放置しないようにしましょう。
次のようなビニール製品は、猫がいる家庭は出しっぱなしにすることができません。
ビニールテープ
ビニールテープは長くて切れにくい構造のため、猫の近くに置かないでください。
長いまま詰まってしまえば、猫の窒息や腸閉塞になる恐れもあります。
ビニール袋
猫が喜んで遊んでくれることから、猫にビニール袋を与える家庭も少なくありません。
しかし、猫だけでビニール袋で遊ばせるのは、誤飲の可能性があるため避けましょう。
猫がいる家庭で注意したいこと
猫がビニールを食べる場合も、誤飲するリスクがないときも、飼い主さんがきちんと管理してあげてください。
ビニールを猫が届く場所に置かない
猫にビニールを食べさせない一番の対策は、「猫の近くに置かない」ことです。
高い場所やキッチンに出しっぱなしにしていても、猫が登って誤飲する可能性があります。
猫が一度でもビニールを口にしようとする姿を見たら、「ビニールは外に出さない」ことを徹底させてください。
買い物でもらったビニール袋は丸めてすぐに片づけてしまいます。
ビニール紐を使ったら、すぐに片づけるようにしましょう。
飼い主同伴で猫をビニールで遊ばせること
猫が興味をひきやすいビニール袋は、飼い主さん同伴で遊ばせます。
ビニール袋を広げたままだと猫の首に引っかかるリスクや、誤飲のリスクがあります。
丸めたビニール袋でも猫は喜んでくれるので、転がして遊ばせるようにしましょう。
猫がビニール袋で遊んでいるときは飼い主さんが、猫がビニール袋を食べないようチェックします。
飼い主さんが見ている間でもビニールを食べてしまう場合は、一緒の場合でもビニールを使って遊ばないほうがいいでしょう。
猫と遊ぶのはビニールでなくてもできます。
猫じゃらしなど専用のおもちゃを使って十分に運動させてあげれば、猫がストレスからビニールを食べることは減るはずです。
まとめ
猫が間違ってビニールを食べてしまう行動は、絶対にやめさせる必要があります。
ビニールを放置しないことはもちろんですが、飼い主さんは猫とよく遊んでストレスを解消してあげましょう。
ビニール袋を使って猫に遊ばせる場合は、飼い主さんが見ながら遊ばせてあげてください。
猫が誤飲した場合は、慌てずまず動物病院に連絡しましょう。