野良猫を飼うのは違法?鳴く・外に出たがる注意点
近所に野良猫が住んでいると、猫好きなら飼いたくなることがありますよね。
そんなとき、野良猫を家庭に迎え入れるべきなのか迷うかもしれません。
また、法律的にはどうなのか?
誰かの飼い猫ではないのか?などの疑問もあります。
これから野良猫を引き取りたいと考えている人が知っておきたい、飼い方や注意点を紹介しますね。
野良猫を飼うのは違法なのか?
そもそも、野良猫を飼うのは法的にどうなのか気になりますね。
違法ではない
野良猫を飼うときに関係してくるのが、動物愛護法です。
動物愛護法では、「みだりに傷つけてはいけない」というものなので、野良猫を安全な形で引き取ることは問題になりません。
ただし、野良猫だと思っていても、飼い主がいる場合は別です。
飼い猫は所有権があるため、「飼い主がいるかどうか?」はよく観察してから野良猫を保護したいですね。
野良猫だとわかったうえでの保護なら、自治体にしてもむしろお願いしたいくらい。
自治体は恵まれない猫を飼い主から引き取って譲渡してくるくらいなので、自分から野良猫を飼おうとする人はむしろ歓迎されています。
野良猫を飼うことは猫のためにもおすすめ
野良猫を飼うことは、野良猫自身にもメリットがあることです。
猫が外で暮らしていれば3~5年くらいしか生きることができません。
家猫の平均寿命は15年のため、野良猫を家で飼えば3~5倍も長生きすることができます。
猫は意外と新しい環境に馴染むことができる生き物です。
ついこの前まで野良猫として過ごしていても、家庭に迎え入れれば今まで飼い猫だったかのように過ごすことができますよ。
地域猫として飼う方法も検討しよう
家庭で引き取ることができない場合は、地域猫として飼う方法もあります。
飼い主のいない捨てられた猫や繁殖した猫を去勢や避妊手術をして、それ以上増やさないよう適切に管理することです。
地域猫は、猫を保護する人たちで餌やりをします。
自治体によっては去勢や避妊手術の費用を助成するところもあるので確認がおすすめ。
捕まえるような飼い方はNG
野良猫を無理やり捕獲しようとする行為も、猫との信頼関係が崩れてしまいます。
猫も一度嫌な思いをした人は覚えていて、家に入れても慣らすのに時間がかかるでしょう。
外の世界で猫とのスキンシップを深めてから、徐々に家に入れるようにしてください。
警戒されても餌をもらいにくるなら脈あり
近所の公園や、家庭に餌をもらいに来る猫がいるなら、野良猫でも保護できる可能性があります。
餌をあげている人がいると猫は自然と覚えて、何度も立ち寄ってくれるでしょう。
「ご飯をくれる=自分にとってメリットがある人」と猫にとって利益がある人になりやすいのです。
よほどの理由がないと警戒する猫を飼うのは難しい
まったく人に見向きもしない野良猫を保護するのは現実的ではないため、多少でもよいので人に慣れている猫を選ぶようにしましょう。
「危険があるため猫を保護する必要がある」など、よほどの理由がない限り、まったくなつかない野良猫を保護することは難しいです。
野良猫を飼う方法と手順について
それでは、具体的に野良猫を家猫にするステップを見ていきましょう。
いきなり捕獲するのではなく、少しずつ猫を慣らしてから家猫に変えていきます。
ついてくる野良猫なら家に入れるのはスムーズ
野良猫でも親切な誰かが餌を与えていると、人慣れしています。
人を信用してついてくる野良猫なら、家猫にするのはスムーズでしょう。
家まで連れていき、そのまま家に入れてしまう対策が有効です。
慣れていないなら餌を与えるところから
近所によく見かける猫がいるなら、まずは餌を与えることからはじめます。
野良猫の多くは人を見たらすぐに逃げてしまうでしょう。
狙っている猫を家に呼び込むために、餌を与えることから始めてください。
野良猫の多くは直接餌を食べてくれることは少ないでしょう。
猫がきそうな場所にキャットフードを置いておき、食べているようなら毎日取り換えて様子を見ます。
数日くらい続けていると、猫が「その場所に来れば餌をもらえる」と覚えます。
猫が直接餌をもらいに来るようになったら、人が直接お皿にキャットフードを乗せて食べさせてみましょう。
何日か餌やりを続けていると、猫も顔を覚えてくれます。
顔を見ただけで餌を催促するようになったら、いよいよ猫を家に入れる行動に移しましょう。
少しずつ家に入ることに慣らす
野良猫だった猫は、人の家に入ってくることはまずないです。
入り口付近に餌を撒いて家の中に誘導しながら、少しずつ家に入るのに慣れさます。
警戒心が強くて家の中に入ってくれない場合は、餌やりから続けて根気よく家に引き入れるようにします。
鳴かれてもドアを閉めて外に出さない
野良猫が家の中に入ったら、ドアを閉めてしまいます。
最初猫は「外に出たい」と鳴きますが、家で飼うことを決めたら根負けしてはいけません。
家の中を少しずつ探検しながら慣れていけば、家猫になることができます。
猫は見知らぬ場所で1~2日くらいは警戒しているはずです。
野良猫が落ち着く狭い場所を確保してあげて、構いすぎないようにして猫が家に慣れるのを待ってください。
いつも通り餌やりを続けて、家の中が安全だとわかると、猫も寛いでくれるでしょう。
慣れたら病院に連れて行こう
家に野良猫を入れて猫に触れるようになったら、動物病院に連れていきます。
信頼関係が築けていないと、病院に行く途中で逃げられてしまうかもしれません。
病院では、寄生虫やエイズなど一通りの検査をしてもらいます。
捨てられたばかりの子猫を拾った場合は病気を持っていないことも多いのですが、長く外の世界で暮らしていた猫は大抵なんらかの問題を抱えています。
ダニや寄生虫がいる可能性もあるため、病院から薬をもらってください。
去勢や避妊手術を受ける
オスの場合は去勢手術、メスの場合は避妊手術の相談を病院にしましょう。
繁殖を考えていないなら、早めに手術するようにしてください。
去勢手術をしないとオスは尿を壁に吹きかけて、避妊手術をしないとメスは発情期の季節に大きな声で鳴くからです。
私も過去に野良猫を保護したのですが、その1匹が妊娠していました。
妊娠中に避妊手術をお願いすると、残念ですが子どもはそのまま取り出すことになりました。
トイレのしつけは比較的スムーズ
野良猫の多くは、猫砂を与えるだけでトイレのしつけができます。
そもそも猫にトイレのしつけをする必要がないのです。
トイレで失敗してしまう場合は、猫砂の素材が悪いのかもしれません。
サラサラと細かい砂状のもののほうが自然界に近く、猫は好んで使ってくれます。
子猫を保護した場合は、そわそわしたらトイレに連れてってあげます。
離乳が済んでいない子猫の場合は、濡らしたティッシュでお尻を刺激してあげましょう。
生後1ヶ月までの子猫は、自分でオシッコやウンチをすることができません。
猫が落ち着いたらお風呂に入れる
猫のほとんどは水を嫌うため、お風呂に入れるのは大変です。
ダニやノミが野良猫についていると、ついついお風呂に入れたくなりますよね。
洗っても汚れが落ちるだけで、ダニやノミを完全に取り除くことはできません。
ダニやノミは病院からもらう薬を使って駆除してください。
飼い主さんや家庭に猫が慣れてから、お風呂に入れてあげましょう。
もともと猫はお風呂に入れる必要がないため、最初の1回だけでもOKです。
猫がお風呂を嫌がるなら、無理やりお風呂に入れる必要はありません。
野良猫を飼うときの注意点
次に確認しておきたいのが、野良猫を飼うときの注意点です。
何度も猫を飼ったことがあるなら事情は理解していると思いますが、初めての場合は猫の飼い方をチェックしておきたいですね。
野良猫を飼う前に飼う費用を確認しておこう
猫を飼うときに重要なのが、猫を飼う費用ですね。
月3,000円~5,000円かかる
毎月キャットフードや猫砂を飼う費用がかかるため、月に3,000円~5,000円くらいお金がかかると思っておいてください。
1袋1,000円以下のキャットフードも売られていますが、安いキャットフードは穀物でかさまししているため、猫の胃腸に負担をかけます。
もともと猫は炭水化物の消化が得意ではないため、炭水化物が多い安いキャットフードでは肥満になるリスクもあるでしょう。
穀物不使用のグレインフリーのものを選ぶ場合は、月に2,000円からのキャットフード代がかかります。
値段が高いものでは、1袋5,000円くらいするものもあります。
猫が長生きしてもらうことを考えたら、プレミアムフードは高い費用ではありません。
病院代は15,000円~20,000円を想定する
野良猫を保護したら、健康診断と去勢や避妊手術として、15,000円~20,000円くらいの費用をみておきましょう。
病院によっては手術に30,000円くらいとるところもあります。
いきなり去勢や避妊手術をしない
野良猫を保護しようと思った方が、最初に避妊手術をしてしまい、猫に嫌われてしまったケースがあります。
人間でも突然知らない人に病院へ連れていかれて、何やら手術されたら信頼関係は築くことができませんよね。
野良猫を保護するときは、家に招いて信頼を勝ち取ってから手術の流れです。
ベランダや庭先で飼わない
野良猫を飼うと決めたら、ベランダや庭先で飼うのは避けてください。
飼い猫を外に出すと「庭にオシッコをして迷惑」と思っている人がいるためです。
そういう人に「野良猫に餌を与えているだけ」と言っても通じません。
猫を飼うと決めたら、近所への迷惑も考えて家に入れるようにしてくださいね。
家猫にしたら外に出たがっても出さない覚悟が必要
野良猫だと家に入れても、絶対に外に出たがります。
「外に出して」と何度も鳴かれてしまうかもしれません。
外の世界には猫がかかる病気にかかる可能性があります。
猫を外に出せば車にひかれて死んでしまうかもしれません。
心を鬼にして保護した猫を外に出さないでいると、猫も外に出ないのが当然になります。
猫を外に出さない場合は、家庭内で十分運動ができるスペースをつくってあげてください。
外を見ている場合でも、猫が縄張りを守るためただ外を見ていることも多いのです。
猫が隠れる場所や高い場所を設置してあげよう
猫は臆病な生き物で、自分の安全が確認できるまで、人や家に慣れることはありません。
野良猫を保護したら、新しい環境で不安になっているはずのため、狭い場所や高い場所など猫がくつろげる場所を作ってあげましょう。
段ボールの設置や、隠れられる猫用ベッド、キャットタワーでも猫が安心します。
野良猫を飼うなら病気にかかっているリスクを考える
野良猫は病気にかかっている可能性があるため、必ず動物病院を受診してください。
何もなければ問題なく飼うことができるため、チェックしてもらいましょう。
腸に寄生虫がいると、猫の体調に左右する可能性があります。
動物病院に連れて行ったときに検査してもらい、必要なら薬を処方してもらいましょう。
外にいる猫は猫エイズに感染している可能性があります。
猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)とも呼ばれる感染症で、発症してなくてもキャリアかもしれません。
メス猫だと、生後半年~1年くらいで妊娠が可能になります。
若い猫を拾ったときでも、メス猫なら妊娠している可能性があるでしょう。
とくに春や秋は発情期の時期となるため、妊娠している可能性があります。
野良猫の多くは猫風邪にかかっています。
鼻水やくしゃみの症状が見られる場合では、病院を受診してください。
風邪が慢性化してしまうと治りにくくなってしまうため注意しましょう。
家で飼いやすい野良猫の種類
野良猫ならどんな猫でも家猫にできるわけではありません。
恵まれない猫を引き取りたいなら、家猫にしやすい種類の猫を選んでくださいね。
成猫よりも子猫がおすすめ
野良猫でも子猫の場合は、スムーズに家に迎え入れることができます。
家に慣らす期間も1日もあれば十分でしょう。
野良猫が子猫を産んでも、たまたま子猫が親からはぐれてしまうことがあります。
子猫を保護する場合は、周りに親猫がいないか確認してみましょう。
家猫だった可能性がある野良猫
もともと家猫だった猫が捨てられると、人に懐いていることが多いです。
家猫が外の世界で長い間生きられるわけはないため、早めに保護してあげてください。
野良猫を飼う方法や注意点のまとめ
野良猫のままでいるほうが幸せか、家猫になるほうが幸せか、それは猫に聞いてみないとわかりません。
しかし、元野良猫だった猫でも家に慣れると、元から家猫だったようなしぐさを見せることから、多くの野良猫は家で飼われたほうが幸せなのではないでしょうか。
野良猫を保護する場合は、事前に情報収取して、失敗しないようにしましょう。