猫の多頭飼いで相性がいいのは?失敗例からわかるトイレ・餌の取り扱い方
たくさんの猫に囲まれるのが夢だと、猫同士が仲良くなって欲しいですよね。
猫が仲良くなるには、先住猫の扱いがポイントです。
仲良しの猫に見られる行動や、新しい猫を迎え入れるコツを紹介します。
猫の多頭飼いを成功させるポイントとは?
子猫同士なら比較的仲良くなりますが、先住猫がいる場合は先住猫のストレスを軽減させる対策をしたいですね。
相性のいい猫とは?オス同士でも去勢していればOK
多頭飼いで猫同士が仲良くなりやすいのは、メスとオスのケースです。
私も何度か多頭飼いになったことがありますが、先住猫がメス猫でオス猫を迎え入れたときは、比較的仲良くなっていました。
一方で先住猫がメス猫で、メス猫を迎え入れると大抵失敗しました。
先住猫によっても相性が異なるとは思いますが、多頭飼いするなら性別を分けると上手くいく可能性があるかもしれません。
野生の世界ではライバル同士になるオス猫同士でも、家猫になると仲良しになることがあります。
家猫は猫同士で縄張り争いをする必要がないことと、去勢することで子どもの特徴を持ったまま成長することができるためです。
猫は子猫のころに、母猫や兄弟たちと身を寄せ合って過ごすことが当たり前でした。
去勢したオス猫同士または避妊したメス同士でも、子猫のころと同じ様子で過ごすこともあります。
顔合わせ前にケージでお互いの匂いを混ぜること
多頭飼いは先住猫の扱いを間違うと、失敗してしまいます。
新しい猫を迎え入れたら、新しい猫をケージに入れて過ごさせましょう。
神経質な先住猫がいる場合は、別室に隔離してニオイを混ぜるところから始めます。
1週間くらい新しい猫を隔離してニオイが混ざったら、ケージから出すのがコツです。
突然新しい猫が現れたら先住猫は「縄張りを侵された」と思うでしょう。
先住猫の生活を優先して、新しい猫がいることに慣れるまで隔離するのがコツです。
トイレは共用でもいいので複数設置がおすすめ
仲のよい猫・仲が悪い猫、どちらの多頭飼いの場合でも、トイレは複数設置がおすすめ。
トイレが1つだけだと、別の猫のニオイがついていて嫌がるかもしれません。
もちろん、仲が悪い猫同士でも、共用のトイレを使う場合はありますよ。
しかし、大抵の場合は先住猫のストレスがたまってしまい、トイレ以外で尿をする恐れがあるので共用はおすすめしませんね。
私が飼っていた猫の場合では、トイレ1つだけで先住猫は布団にオシッコをしました。
得体のしれない生き物が突然現れたうえに、自分のトイレに別のニオイがついてしまったのですから、先住猫が不満を抱えるのは当然ですよね。
餌の横取りを防ぐため餌の皿は分けること
猫の多頭飼いの場合は、トイレだけでなく餌を入れるお皿も複数に増やしましょう。
共用にすると、迎え入れた猫の立場が弱くなってしまい、餌を食べられる量が減ってしまうかもしれません。
また、エサ入れだけでなく水を入れる容器も複数設置がいいですね。
猫は水分摂取量が少なくなると、膀胱炎や尿路結石になりやすくなるので、多頭飼いでなくても複数の水の設置がおすすめですよ。
子猫の状態をキープすること
猫を迎えたらかならず去勢や避妊をして、子猫の状態でいさせるようにします。
集団で生活できるのは子猫のころだけですが、成猫でも子猫のように扱えばいいのです。
先住猫の嫉妬を避けるため先住猫を優先してあげる
甘えん坊の先住猫だと、迎え入れた猫に嫉妬する恐れがあります。
先住猫に我慢をさせると、迎え入れた猫への態度が悪くなる恐れがあるので、先住猫は先輩として優先してあげたいですね。
ベッドは複数用意すること
仲がいい場合・仲が悪い場合、どちらもベッドも複数設置がおすすめ。
複数の寝床があれば、それぞれが居心地のよい場所を選ぶようになります。
猫の世界では、高い場所にいると立場が上になります。
そのため、高さのあるキャットタワーを設置してあげると、猫の主従関係が自然とできるのでおすすめです。
猫の多頭飼いで失敗するケース
残念ですが、相性が悪い猫同士が仲良くなるケースは少ないかもしれません。
同じ空間で過ごして喧嘩をしなくても、一定の距離を取り合ってしまう場合があります。
顔合わせで威嚇や喧嘩したら仲良くなるのは難しい
私が飼った猫の場合は、実家の猫に対して新しい猫が威嚇してしまい、仲良くなることはありませんでした。
実家のメス猫は元野良猫で、オス猫を迎え入れたときは仲良くしたのですけどね。
顔を合わすたびに激しい取っ組み合いになるので、合わせることができませんでした。
一度でも喧嘩になった猫がいるなら、部屋を別にするなど長期的にお互いを慣らすしかないので、根気のいる作業だと思っておきましょう。
猫同士が一緒に寝るのは子どもの頃の習慣から
あまり仲良くない猫でも、寒くなると体を寄せ合って寝ていることがあります。
子猫のころは体温を保つことが難しく、親猫や兄弟たちと体をくっつけないと生きていけなかったためです。
家猫も子猫のころの習慣がそのまま残っていて、仲良くない猫どうしても体をくっつけます。
気温が下がると飼い主さんの布団に入り込んでくるのも、ただ体を温めるだけかもしれません。
飼い主さんとしては「猫が甘えてくれた」と思いたくなりますが、猫はもっとドライに考えているのかもしれませんね。
仲が悪くても喧嘩しないなら問題なく飼えるケースも
家猫は十分な餌をもらっているため、野良猫のように縄張り争いをする必要がありません。
猫が争うのは生きるためであって、生存が保証されている環境では、縄張り争いする必要性がなくなります。
本来野生の世界では1匹で過ごす猫でも、飼い猫になれば多頭飼いでも問題ないのは命のリスクがないためです。
仲が悪い猫が一緒に飼われていても、十分なフードがあれば餌を取り合うこともないです。
嫌いな猫同士だとお互いを無視することはあっても、無駄な喧嘩をして必要な怪我をしようとはしません。
猫を多頭飼いするメリット
猫好きであれば、多頭飼いは憧れる人も少なくありませんよね。
または、自然と猫の数が増えていくケースもあるので、多頭飼いのメリットを見ていきましょう。
じゃれあいが可愛い
猫を多頭飼いすると、遊び相手がいることになります。
飼い主さんは、猫同士が遊んでいる様子を見るだけでも、癒されるのではないでしょうか。
猫を多頭飼いすると、激しく走り回って追いかけ回すはず。
猫は瞬発的にエネルギーを発散させる必要があるので、多頭飼いで走り回れる環境は猫にとっても理想的ですね。
留守中のストレス軽減になり長生きできる可能性がある
1頭しか猫を飼っていないと、飼い主さんがいない時間帯に寂しい想いをさせてしまいます。
でも、多頭飼いなら別の猫がいるので、寂しくはありませんね。
留守中に何もすることがないと、猫は1日中寝ることになります。
運動量が減ってしまうので、猫の体や心の健康にも影響を及ぼすかもしれません。
一方で多頭飼いなら、お互いにじゃれて遊べますね。
人間でもそうですが、1人で過ごしていると活動量が減り、人との会話も少なくなって体や心の健康の維持がしにくくなるのは一緒です。
だから、猫を多頭飼いすれば、最終的に長生きにつながるかもしれませんよ。
猫を多頭飼いするデメリット
猫を多頭飼いしたいと思っても、人によっては向いていないことがあります。
「こんなはずじゃなかった!」と思う前に、多頭飼いのデメリットも確認しておきたいですね。
賃貸住宅だと難しい場合が多い
ペット可の賃貸住宅であっても、猫は2頭までが限界です。
部屋によっては1頭までの制限を設けている場合もあるので注意したいですね。
賃貸で多頭飼いを禁止しているのは、以下の理由から。
- 鳴き声で迷惑になる
- 臭いで迷惑になる
- 部屋を傷つける恐れがある
猫の場合は壁や柱を傷つけてしまい、退去時の費用が高額になりやすいので注意しましょう。
いじめられた猫の居場所がなくなる
基本的に単独行動が多い猫でも、集団生活をすると主従関係ができあがります。
強い立場の猫は餌や水が豊富にあたり、過ごす場所もよいところを選べますね。
しかし、迎え入れた猫は立場が弱くなる恐れがあります。
立場が弱ければ、生活環境が悪くなる場合があるので、飼い主さんは注意したいですね。
「いじめ」といっても、人間のような悪質ないじめではありません。
猫の場合は、立場の強さをアピールするためです。
餌代がかかる
別記事で、猫の生涯では約100万円かかると紹介しました。
多頭飼いになれば、猫が増えるごとに費用がかかるので注意したいですね。
15年間で100万円なので、1年あたりの費用は大した額ではないと考えるかもしれません。
でも、猫が病気になることを考えると、一度に数十万円も出費となることもあるので、少なく見積もるのは避けたほうがいいでしょう。
毛が抜ける量が多くなるので掃除が大変
猫を多頭飼いすると、毛の量が多くなり掃除や洗濯が大変になります。
それぞれをブラッシングしても、衣類やソファにつく毛の量は多くなるので、毛が多少ついても問題ないくらいの心の余裕が必要ですね。
猫の多頭飼いでチェックしたいこと
最後に、猫の多頭飼いで確認しておきたいことを紹介します。
必要なもの
多頭飼いで必要なものは、1頭の猫を飼う場合と同様です。
ただし、それぞれの猫ごとに用意したいものがあります。
- トイレ
- 食器
- ベッド
ほかにも、一度に猫を動物病院に連れて行くつもりなら、キャリーバッグも必要です。
具体的にどんな道具が必要かは、別記事で確認してくださいね。
部屋の広さ
猫1頭につき、6畳など1部屋の確保が必要です。
多頭飼いであれば、2LDKなどある程度の部屋数が必要だと考えておきましょう。
1LDKやワンルームで2頭の猫を飼う場合は、部屋の広さが必要ですね。
お互いがある程度の距離を保って過ごせるよう、広いリビングを用意してあげてください。
何頭まで管理できるか?
猫を飼うのに慣れていない場合は、多頭飼いは少し待ったほうがいいかもしれませんね。
子猫同士を同時に迎え入れると仲良くなりますが、飼い主さんの手間が増えてしまいます。
猫を飼うのを慣れている人なら、2頭までがおすすめ。
3頭以上になってくると、中級者以上になってからですね。
猫を多頭飼いするまとめ
猫を多頭飼いしたい方は、猫同士を仲良くするコツを知っておきましょう。
メスとオス、成猫と子猫は比較的仲良くなりやすいです。
オスとオスの場合でも去勢手術をして、お互いが子猫の気持ちを持ち続ければ、仲良くさせることはできます。
猫と他の動物を飼いたい方も、仲良くする方法を参考にしてみてくださいね。